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【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(9)
特別取材
2010年10月24日 08:00

<海外事業について2> 

 海外事業への展開という着眼点は正しいことと思う。

 しかし、どこの国にどういう形で進出を考えるのか、非常に難しい。積水ハウスの先達の人たちの失敗は、車とか家電とかの工業完成品と違い、家は現地で施工せねばならないこと、そのための現地の国の労務問題に精通せねばならないこと、家はその国の人々の住まい方、風俗、習慣の数千年の歴史、文化そのものである。

 日本の風土で育ったセキスイハウスが、現地の人々に受け入れてもらえるのかいろいろな問題を含んでいる。その国の建築基準法など関連法も違うだろうと思われる。

 相当の準備を進めていかなければ、再び、失敗を繰り返す恐れもある。
 失敗は会社経営に暗い影を落としかねない。

 積水ハウスは化学メーカーを親会社に、ベンチャー企業として出発、当初は、親企業のお荷物と言われ、先達の人たちのチャレンジ精神と類稀なる努力、勤勉さで1974年に住宅業界で、30年にわたり、セキスイハウスアズNO1として君臨、7年前に、第2位に甘んじている。

 原因は時の社長にある。なぜなら、経営の最高責任は社長だからだ。
 認めがたかった敗北、であるが、そこから新しい未来を切り開く力が湧いてくるものと信じている。新しいチャレンジが海外事業なのかもしれない。

 一時、開発事業が脚光を浴びたが、リーマンショックの後、外資の日本市場からの引き上げで、ブームは去ってしまった。しかし、セキスイハウスには明治維新のような、新しいものにチャレンジする、冒険心あふれた志士が登場するDNAがある。現状の上意下達でなく、上層部が社員を信じ、自発的なアイデアを出し、仕事に責任を持ち、協力し始めたなら、会社の雰囲気は一新するだろう。そのような土壌を持った会社であることは、今の上層部の人たちはわかっていると思う。なぜなら、自分たちの若い時代は自由闊達な雰囲気のやる気に満ちた会社だったはずで、その歴史の中で育ち、経営の中枢に、今、席を置いている。

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません


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