26日、博多区天神の福岡国際ホールで福岡市長選に伴う公開討論会が、「政治が気になるふくおか女性の会」の主催で開催された。
同会に参加した福岡市長選挙立候補予定者は、元福岡市議・荒木龍昇氏(50歳)、西福岡・糸島民主商工会事務局長・有馬精一氏(59歳)、元予備校講師・飯野健二氏(49歳)、元教育長・植木とみ子氏(61歳)、元会社員・内海昭徳氏(32歳)、元佐賀市長・木下敏之氏(50歳)、元アナウンサー・高島宗一郎氏(35歳)、現職・吉田宏氏(54歳)の8人(50音順)。会場には女性を中心とした市民が訪れ、各立候補予定者の主張に耳を傾けた。
この日の討論会は「副市長1名を副市長に」「水について」「福祉について」「まちづくりの担い手育成について」などをテーマにして進行。多数乱立ゆえの短い発言時間のなか、8人の立候補予定者はそれぞれの考えを述べた。
その後、市民からの自由質問では「こども病院移転」に関する質問が行なわれた。こども病院のアイランドシティ(人工島)移転を推進する吉田氏は、「あらゆる角度から見てアイランドシティが一番」との見解を改めて示した。一方、25日の記者会見で、「推進」の立場から一旦「白紙」に転じた高島氏は、質問に対する回答で「人工島移転は一旦凍結する。半年間待ってほしい」「決定する過程をもっと発信したら納得できた」と述べ、市民からは拍手がおこった。
この発言に対し、吉田氏は「では、どこにするのか」と、対案を示すべきと応酬。高島氏は「個人的には現地立替は難しい」との見解を示しながらも、重ねて意思決定のプロセスを透明にすることこそが重要とした。突然始まった、ふたりの白熱したやり取りに会場は沸いた。
さらに討論会の最後、吉田氏は、4年前の市長選当選後、見直しの立場から推進に転じた人工島事業について、「アイランドシティを『負の遺産』と言うのはやめましょう。もう海には戻せません」と発言し、会場をざわつかせた。
【行政取材班】
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