(有)サンパルランド
代表取締役 花田 久美子氏
中高生にとって、芸能界は夢の世界だ。芸能人に憧れ、少しでも近づきたいと願うティーンエイジャーにとって、タレントグッズというのは大きな存在なのである。そのタレントグッズを企画、販売している企業が(有)サンパルランドだ。子どものなけなしの小遣いでも買えるように、低価格に設定した商品群が人気を博している。同社の代表である花田久美子氏に、企業経営の信念を聞いた。
<中高生の夢を叶える>
キャナルシティの地下1階に、女子中高生が目の色を変えて商品をあさる店があるのをご存じだろうか。アイドルグッズ販売の「Teen's」(ティーンズ)である。芸能界のさまざまなアイドルやタレント、俳優たちのブロマイド(生写真)や芸能人の写真を載せたカレンダーやポスター、うちわなどの商品が店内をあふれんばかりににぎわせている。その様子はかつて、80年代アイドル時代に学校の近くなどにあった駄菓子屋の店先に並んでいた芸能人グッズを思い出させる。
今もかつても同じく、中高生にとって芸能人は憧れの存在であり、その商品は常に身につけておきたいものだ。ティーンエイジャーの夢を叶える商品を製作・販売しているのが、福岡県那珂川町に本社を置く(有)サンパルランド。同社社長の花田久美子氏が、女性らしい感性の細やかさと男性のような行動力で築き上げた会社である。
花田社長は「花田久美男さんとよく呼ばれるんですよ」と開口一番、こう語った。中古車販売センターの長女として生まれ、博多で育った。病気がちな父を看ながら働きづめだった母の苦労を感じながら育ったという。幼少期は目立ちたがりのガキ大将タイプで、大人びた靴を履いて学校に通ったこともあった。人との触れ合いが大好きなのは、その頃から変わらないという。担任の教師たちに対して今も感謝の気持ちを忘れていない。
「担任が美術の先生で、卒業のときに絵を描いて持ってきてくれました。本当に感謝しています。先生に限らず年上の方からかわいがっていただいて、いつか恩返しをしたいと思っています。そのなかでも、私は親への思いが一番強くあります。本当の意味での親孝行はなかなか難しいですけれども、それこそ一所懸命にやるべきことだと思っております」。
<主婦から経営者に>
感謝を忘れないこと、それこそが人間関係の基本であると花田社長は語る。学卒後は銀行で働き、社会を学んだ。そして結婚して退社。専業主婦として子どもを育てた。PTAの役員も任された。
子どもに手がかからなくなる頃、健康食品の販売を手伝うようになる。船員を対象に販売をしていった。当時を振り返り、花田社長はこう語る。「船員の方々は皆さん純粋で学ぶところが多かったです。本当は専業主婦が向いていると自分では思うのですが、社会と接点を持つことで多くの方と出会うことができました。その方々に喜んでいただきたいというのが仕事の原動力です」。
健康食品の販売を経て、家業の中古車販売を手伝うようになる。その仕事のなかに、偶然キャラクターグッズ関係のものがあった。それを花田社長が深めていった結果、独立・創業することになった。「経営者になりたい、という熱い思いからではなく自然な流れで起業しました。仕事をすすめていくと手を差し伸べてくれる方がとても多く、その方々のおかげで何とか18年間続けることができていると思います」。
[COMPANY INFORMATION]
(有)サンパルランド
所在地:福岡県筑紫郡那珂川町西隈3-7-14
設 立:1992年4月
資本金:300万円
URL:http://www.sunpal-l.jp
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