再生する経営者は、卓越した技術力の裏づけがある
最近の東京の地下鉄工事、都市高速の地下工事は深さ40m以上にも達する。この掘った土砂を現場で再生し埋め戻す工法で注目されているのが、(株)冨士機である。この会社のオーナーである藤田以和彦氏は、かつて生コンプラントメーカーとして業績を進展させていたが、一時、頓挫した。そこから不屈の再起の戦いが始まった。生コンプラントメーカーで培った技術力を進化させて、汚泥を現場再生し埋め戻す工法を編みだした。
次なる工事は、東京―名古屋間に建設されるリニア中央新幹線で、地下60mの真底を掘り進んでいく。スーパーゼネコンの担当者たちはリニア新幹線工法の研究のため、同社に日参しているそうだ。
藤田氏の最終使命は有明海の復活である。「超タンパク化した干潟の土壌を再生すれば、有明海を蘇生させるのは容易だ。驚くほどの安いコストで実現できる」と断言する。やはり、短期間に企業を再建できる条件として卓越した技術力が必要だ。
集団力が無限であることを証明したのが(株)さとうベネック。内整理をして、資本ファンドのネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)がオーナーになった。さとうベネックの生え抜きを経営陣に抜擢したが、一度は失敗した。最後の布陣として、紫原利典氏が代表に抜擢された。同氏が掲げた経営方針は「数字の公開」である。毎月の試算表を明示して損益状況を社員の頭脳に叩き込んだ。結果として、2010年6月期には4億円の法人所得を得た。驚異的な数字だ。連続しないと価値はないが、紫原社長は「全員が目的を明確に共有すれば、無限の能力が発揮できる」と語る。
中小企業防衛のインフラ整備に注力する
富士経営グループの崎田松男社長は、福岡における企業再生コンサルのパイオニアである。設立から現在までの間、3ケタに及ぶ企業再建の実績を持つ。この人が指摘するから説得力がある。「コダマさん!!倒産させるのは経営者に能がないからだ。だがね、いま中小企業の70%は赤字バイ。2期、3期連続赤字を出したら必ず倒産は免れ得ない。これって構造的な問題ではないか。中小企業70%が赤字で、国家財政が成り立つか。データ・マックスこそが中小企業防衛のための先駆的なメディアたれ!!」と檄を飛ばされた。
この指摘は至極、的を射ている。たとえば、技術補助金の例を取ってみても、いかに中小企業が差別されているかが、よーくわかる。ある中小企業が、環境技術開発に関する補助金申請にトライした。官庁ネットに公表された期間・条件を見て打診してみたが、到底準備が間に合わない。「何かアリバイ的に公表している臭いがする。補助金の予算の大半は大手に流れているのではないか」と鋭い意見を投げかけている。このお役所の情報公開に関しても、大企業・中小企業平等の原則性の仕組みづくりが必要だ。
データ・マックスは「大中小の企業がフェアな競争ができるインフラ整備づくりに貢献する」という理念を掲げている。崎田社長の命令通り、「中小企業防衛機構」を全国に立ち上げる準備に入った。人間社会においても金のない人は「これが私の寿命だ」と諦観し、死を迎える。金持ちは、金力を駆使して死命を必死で断ち切ろうとする。金力の差がつくと、死線の瀬戸際での不平等が歴然とする。中小企業の経営者たちよ!!「倒産=企業の死は宿命だ」と諦めるなよ!!企業倒産はそれで「ジ・エンド」ではないことをお忘れなく!!
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