元アビスパ福岡の選手として活躍した服部浩紀氏はこの程ドイツのサッカークラブFCバイエルン・ミュンヘンにコーチ留学した。FC.バイエルン・ミュンヘンはヨーロッパトップクラスのレベルを有する強豪でリーグ優勝22回を誇る。ワールドカップで日本を苦しめたオランダ代表のエース・ロッベン選手も在籍する歴史・育成環境ともにヨーロッパ最高クラスの評価を受けている。
服部氏はサッカースクール「ハットトリック」やクラブチーム「ルーヴェン福岡」で選手育成に携わり5年を経過。すでに有望な若手選手を数多く排出している。今回、指導者としてさらなる向上を目指して同クラブの門を叩いた。研修期間は7月24日より16日間。その体験は長くサッカー界トップで活躍してきた服部氏にとっても強烈な体験の日々となった。
最も驚いたのは年代を細かに区分されたカテゴリーである。7歳から1歳区切りで分けられ、18歳まで12ものカテゴリーがあるのだ。そのすべての世代に2名のコーチが就く。ボールコントロールのみを中心に指導する幼い世代から上がるに従って、動きながらのボールコントロールになる。そしてトップスピードでのボールコントロール、さらには精度が100発100中を求められるようになる。また、年代だけでなくポジションはもちろんフィジカル、メンタル、そして学業担当のスタッフまで在籍する。
服部氏が一様に感じたのは選手たちの気持ちの強さだ。17歳以下の世代での練習では高い集中力や激しい当たり、高い意識などに驚いたが、奪われたボールを自分で取りに行く姿勢や強く意見交換する場面など心の迸りが伝わってきた。
今回の留学では指導者を含めて多くの人々と接したのも服部氏の財産となった。日本サッカーの父と言われるクラマー氏や「爆撃機」と異名を取ったゲルト・ミューラー氏。また、偶然にもオーストラリアの21歳以下と17歳以下の代表監督を務めるヤン・フェルシュライエン氏にも面談し意見を聞くことができた。こうした中で得られたものを指導に生かしていく考えだ。たとえば自分の経験を伝えること。選手を活かすためにそれぞれの自主性を図り尊重するためのコミュニケーションを図ることなどを全身全霊で注ぎこむ。服部氏のルーヴェン福岡の教え子たちはエリートではない。Jリーグなどのジュニアユースチームに入れなかった子供たちがほとんだ。そうした選手たちが大きな舞台で活躍を始めている。今のところルーヴェン福岡FCとFCバイエルン・ミュンヘンとの隔たりは大きい。しかし、服部氏の情熱が大きな成果をもたらす日が来るに違いない。
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