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特別取材

【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(12)
特別取材
2010年11月 1日 17:57

<海外事業戦略について5>

 日本経済の長引く不況、円高のなどで、国内需要増が期待できないため、海外への進出を考えない企業はないと思われるくらいの海外進出ブームである。

 積水ハウスは日本国内で受け入れられ、成長してきた会社である。
 日本で培われた積水ハウスの住宅を作って販売するというノウハウが、海外に受け入れられているかは未知数である。

 住宅は家電、自動車のような工業製品と違い、各国の歴史、宗教、文化が色濃く入っているため、国々よって住まい方、生活様式が違う。
 日本の住宅様式をそのまま提供することは受け入れてもらえないだろう。

 単純に、日本の住宅産業の発展が期待できないから、活力のある国に進出すれば現在の苦境を打開できるのではないかと思うのは危険である。

 特に、積水ハウスは海外に駐在員を置いて情報収集する機能は持っていない。情報源は海外に支店網を有してる銀行、証券会社、投資会社からの情報に頼っているにすぎない。彼らが住宅業界に精通しているわけでなく、内容は貧弱で、いかがわしいのも混じっていることを想定せねばならないだろう。

 過去に失敗した西ドイツの会社も、ニチメンという商社の紹介で始まり、2~3年後には、儲かっている会社と思っていたのが、合弁相手の会社に数億円の累積負債があることが判明した。入口での交渉過程では、巧妙に隠されているケースもある。

 仲介屋は話がまとまれば、コンサルタント料をもらうのが仕事である。何ら責任は持たないのが通例。だまされたあなたが悪いということだろう。

 紹介者の信頼性はどうなのか。最後まで責任をとるような気概のある会社。個人なのか、紹介された国、合弁相手の実情を、住宅を一筋50年やってきた「プロの目」で、あわてず、数年かけて調査・検討する余裕が必要ではないだろうか。

 海外は、日本の常識は通じない世界ということを認識すべきだろう。

 成功を続けてきた積水ハウスの歴史の中で、海外事業で唯一失敗した経験をした。

 「住宅は家電、自動車の輸出とは全く違う、日本的経営はまったく通じない世界で
あった」と「高い授業料を払った」と当時の社長が撤退する時に述べたのを記憶している。

(つづく)

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません。


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