ヤオハン元会長和田一夫氏 80代で満開花
真の人脈づくりが問われる
和田一夫氏は国際経営コンサルタントとして福岡、上海、東京を飛びまわっている。81歳の同氏はいまでも超多忙だ。久しぶりにお会いして現在の対立含みの日中関係の対応策をお聞きした。「まずは本当の人脈があるかどうかが試金石だ」と助言してくれた。今までは「この要人を知っている。あの共産党幹部と親しい」と自慢げにしていた方々も、真の人脈を持っていないと遣り被る時代に突入したといえる。
和田氏の経験に即してまとめると、(1)真の人脈づくりには時間がかかる、(2)現在、中国においては世代交代の時期である。だから一から創り換えのチャンスである。―同氏の中国人脈づくりに成功したのは実母のおかげだそうだ。言わずと知れた実母をモデルにした大ヒットしたTVドラマ『おしん』である。このドラマは中国でも人気を博した。いまでも彼女には深く深く感謝しているそうだ。
80歳代で国際経営コンサルとして 満開花を咲かせる意欲を失わず
ヤオハンが倒産した時は69歳であった。当時、和田氏は「70歳からの10年間は勉強の期間だ。新しいことに挑戦するには10年くらいの修養が必要だ。70代で大成した先輩たちの例はたくさんあるが、80代で満開花を咲かしたケースは珍しい。尊敬する電力王・松永安左エ門以外にいないのではないか。80代で国際経営コンサルとして大きな仕事をしてみたい」と誓った。終身現役を貫く意気込みは凄まじい。毎朝、ベッドの中で300回の屈伸運動を行なって颯爽と立ち上がることが日課のスタートだ。いや恐れ入った。
この10年間の修養期間においては、福岡県飯塚市で若手のベンチャー経営者達と交流を図ったこともあった。上海において若手経営者向けの「上海経営塾」も開講してきた。常に「失敗の経験は大財産を得たのと同じだ」と己に言い聞かせて切磋琢磨してきたら、瞬く間に10年が過ぎた。大きく飛翔する土俵が整ってきたようだ。8月に2.5万円の講義費を要する「アジア進出セミナー」に講師として参加した。定員250名の会場が満員御礼の盛況ぶりで、若手の熱心な経営者達が交流した。和田氏の活躍する新しい局面がついにやってきた。
まずは中国・日本合作の国際経営コンサルティング会社を設立する。冒頭触れたように、日本も然り、中国も新しい世代交代の時期に差し掛かっている。この新鮮なうねりに乗れる日中の世代を結集した組織を立ち上げるのだ。そうなると、どうしても和田氏の経験則の知恵を活用する場面が生まれてくる。その活動の場は中国のローカルゾーンだ。中国はまさしく「地方の時代」になった。
上海から400キロ西南に位置するところに合肥という都市がある。安黴省の省都になる。2011年5月頃、「中日企業家交流協会」によるシンポジウムという大がかりな仕掛けが用意されている。和田氏は「日中の若手経営者達に、交わりをなしてビジネスチャンスを掴んで頂きたい」と願い、このイベント成功のために全力投球する所存だ。枯れてしまった60代、70代のオヤジさん達よ!!和田さんの爪の垢でも煎じて飲もうではないか!
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