昨年12月4日に施行された中小企業金融円滑化法により元金返済猶予措置を受けた全国の中小企業貸出の実行件数は、金融庁の資料によると約39万件、金額ベースで約13兆円(いずれも今年6月末現在)となっている。申込みは現在も続いており、実行件数は40万件を超えると見られており、この数は国内中小企業の1割に及ぶ。
この措置は、売上の減少等で金融機関借入の返済が困難な中小企業等を対象としたものであるが、元金返済猶予期間中に経営改善計画により業績を回復させ当初条件の返済を再開しなければならない。
ところが、法律施行1年を経過しょうとしている現在、中小企業を取り巻く経営環境は依然として芳しくないことから当初の返済条件を受け入れできない企業が増加しており、金融機関は年末にかけて倒産多発を懸念している。
【久米 一郎】
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