今月14日(日)に投開票日を控え、各者とも連日激しい選挙戦を繰り広げている福岡市長選。今回、候補者本人たちの舌戦についてはひとまず置いて、ポスターのデザイン的な視点から、福岡市長選を見てみよう。
□植木とみ子氏
唯一の女性候補者である植木とみ子氏のポスターは、まず謳われているキャッチコピーに疑問符が付く。「初の女性市長を!!」と書かれているのだが、市民に訴えるべき論点が違うように思う。私見を言わせていただければ、市長が女性であろうが男性であろうが、市民にとってはどうでもいいのである。たとえば「市政に女性の視点を!」など、別のアプローチで女性を謳うのであればわかるのだが、単に「女性市長を」と言われてもピンと来ない。また、背景が白に近いのに文字に黄色を使っているのも、どうにも視認性が悪い。
□内海昭徳氏
内海昭徳氏のポスターは、デザイン的に見た場合、特筆すべき点はない。良くも悪くもオーソドックスな印象である。濃い青地に白文字で視認性も良いし、本人の顔写真も大きくハッキリと写っている。同氏が今回の候補者のなかで最年少ということもあるが、目新しさはないものの荒削りな若さが伝わってくるポスターになっている。
□飯野健二氏
他の候補者とは一線を画し、唯一の「横長」である飯野健二氏のポスター。たしかに、他の候補者の「縦長」のポスターに対し、「差別化によって目立つ」という点に置いては効果があるのかもしれない。しかし、この「横長」のポスターには致命的な欠点がある。それは、人は構造上縦に長い生き物であり、写真に収めようとする場合はどうしても縦長の方が収まりがいいのだ。そのため、同氏のポスターは他に比べて窮屈な印象を受けるうえ、肝心の名前も縦書きにしているため、文字が小さくなってしまっているのだ。
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