<経営理念に息吹を吹き込め 2>
パナソニックの創業者松下幸之助氏の経営理念は松下氏の五感、人生観、社会観、世界観、事業観、人間観に裏打ちされている。
基本理念に「産業人は本分に徹し、社会生活の向上を図り、世界文化の進展に寄与せんことを期する」とうたっている。
そして具体的に、どこよりも良い品質で安全な、より安く、優れた商品を、優れた人材を、優れた会社の総合力を、と示している。どこよりも、というのが本分に徹するということだ。
京セラの企業理念は「会社は全従業員の物心両面の幸福の追求にある」と掲げている。
アメリカのグーグルの基本理念の10なかの一つに「悪事を働かなくても金儲けができる」とある。
今、世間で品格のある企業として評価されてるのは、このように消費者、社会から信頼されるよう、正しい理念を持った、良心、正しい心、利他を排した役員、従業員で構成された企業風土が形成されている。
企業は持続するため、正しい企業理念は変わらない。積水ハウスも、パナソニックも京セラも、その他多くの優良な企業も。企業はゴーイング、コンサーン、持続していかねばならない。
経営者、従業員にとり、この会社が持続していかれるか、最も大切な尺度で、このことが最優先されるべき価値なのだ。1980年代、バブル時代、不動産、資本を持ってる企業はもてはやされた。バブルが過ぎると土地資産を持ってる企業はダメ、ROA(総資本利益率)ROE(株主資本利益率)と言った物差しがもてはやされ、資本をどれだけ有効に、効率的に活用したが問われ、世間ではこれを、金科玉条のように言われ、グローバルスタンダードの名の下に、ビジネスは流行に右往左往するばかりであった。
しかし、企業理念の基盤がしっかりできてる会社は、「物の道理はどんな時代でも変わることはない」として、右往左右することなかった。
お客様を大切に、いい商品、いいサービスに徹する基本理念が会社を救ったのである。
積水ハウスはオイルショックの時も、バブル時代も、時の社長の田鍋氏は異常な過熱の事態はすぐに収束するとして、土地投資には走らなかった。
【野口 孫子】
※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません。
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