自民党と公明党、福岡市議会の会派・みらい福岡が支援する元アナウンサー・高島宗一郎氏(36)の街頭演説に多数の著名議員が来援した。6日は、谷垣禎一 自民党総裁、後藤田正純氏、町村信孝元官房長官。7日は、麻生太郎 元総理、石原伸晃 幹事長、小池百合子 総務会長、林芳正 政務調査会長代理など。また、高島氏が政策協定を結んだ公明党からは遠山清彦副幹事長(6日)が駆けつけた。
「福岡は潜在力が豊かだけど活かしきれていないのではないか。新幹線が開通するときに、その波に乗り遅れないでもらいたい。多くのかたが今の市長に飽き足らない思いをしている。大きなチャンスが巡って来たのにこのままでは逃してしまうのではないか。これが皆さんのお気持ちだと思います」(谷垣氏)、「2期目の選挙に立候補者が8人も出ること自体が現職の不信任。マニフェスト違反で現職と民主党は共通している」(後藤田氏)など、来援した各自民党議員は現市政を批判。「新しく若いリーダーが必要」と、聴衆へ訴えた。
そうした後押しを受けた高島氏は「2011年は新たなスタートの年。明るい顔で夢を語れるリーダーが必要」と述べ、「アジアのナンバーワン都市を目指します」と力強く宣言した。
また、応援演説には「外交とは、武器を持たないでやる国益をかけた戦い。それを今の政権は残念ながらやっていない」(町村氏)、「早くビデオを出していれば、中国の反日世論も大きくならなかった。全てが場当たり的」(石原氏)など、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件における民主党政権の姿勢を批判する内容も含まれていた。
当初、市議団の「支持」に留まっていた高島陣営だが、告示後から急激に自民党色が強くなっている。今後もさまざまな国会議員が応援に駆けつける予定。選対本部長の太田誠一元衆議院議員は、演説で「政党色が出ないようにやってきたが、現職が明確に民主党色を打ち出してきた」と説明。終盤戦に入り、高島陣営の民主党への対決姿勢はさらに強まっていくようである。
一方の現職・吉田宏氏(54)の陣営では、6日、同氏を推薦する民主党の岡田克也幹事長が来援。岡田氏は、こども手当や高等学校の無償化について「自民党が何年もかけて出来なかったことを我々はやることが出来た。社会全体で子育てをする、そういう日本に変えていきたい」と述べ、政権交代後の施策を強調。また、吉田氏については、「市債残高の減少」や「留守家庭こども会の無償化」に取り組んできたことを評価した。
なお、吉田氏は演説のなかで、1期4年間で市債残高を1,200億円削減したことを挙げ、2期目も市債削減に励むとの考えを改めて示した。
市長選に絡む政党の動きに対し、無所属の陣営からは批判の声も。元福岡市教育長・植木とみ子氏(61)は6日の街頭演説で、「福岡は代々市民のまち、福岡は与野党の政争の場ではない」との声をあげ、市民派を強調した。植木氏は、同日、高校時代の思い出の地、西新商店街で歩行遊説。一つひとつの商店を訪れ、店主や従業員、買い物客らと握手を交わし、支持を呼びかけていた。
このほか元福岡市議・荒木龍昇氏(58)は、7日、中央区・警固公園で街頭演説会を開催。元人材育成会社講師・内海昭徳氏(32)は、精力的に市内各地で街頭演説を行ない、それぞれ政党色のない市民派として支持を呼びかけている。なお、共産党推薦で西福岡・糸島民主商工会事務局長の有馬精一氏(59)は、「市民が主役の市政」を強調している。
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