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中洲バトルロワイヤル2010(34)~内装業者から見た中洲事情(上)
中洲バトルロワイヤル
2010年11月 9日 11:20

 華やかな中洲の夜において、艶やかなホステスはもちろんのこと、さまざまに趣向を凝らした店内の内装も重要な役割を果たしている。先日、中洲の飲食店の内装を行なっている業者さんと知り合った。内装業者から見た中洲、ここ数年の変遷はどのようなものか。今回は、いつもと趣向を変えてお届けする。

 内装業者さんの話によると、中洲が大きく変わった点は「居抜き工事」が増えたことだという。まだ景気が良かった頃は、オーナーが張り切って"こだわりの店"を作っていた。初期投資は惜しまない名だたる競合店がひしめくなか、中洲に店を持つことは今以上のステータスであった時代である。
念願のオープンだけに、どのオーナーも店に対する思い入れが強い。その場合、コンクリートがむき出しのスケルトン状態から店作りが始まる。テーブルやソファの家具類、グラス、シャンデリアなどの高級品を海外から輸入するオーナーも珍しくなかった。また、こだわった分だけの見返りが期待以上に大きかった。景気が良い頃は、開店時の祝儀も派手なものであった。

中洲の風景 ところが現在、不動産業者が所有物件のテナントをあらかじめ作ってしまう「居抜き」が主流となりつつあるという。空きテナントのカタログをオーナーが物色し、気に入ったデザインのものを選ぶというスタイルだ。
ただし、「居抜き」の内装では、あまり奇をてらったものが作れない。特に中洲の飲食店は、風営法の関係でいろいろと規制がある。たとえば、パーテーション(敷居)は床上1m以内。店内は遮へいするものがなく、すべて見渡せるような状態でなければならない。中洲の内装で透明なガラスが多用されるのも、そうした事情があるのだ。

 店名が変わっても中身が一緒となれば、目新しさもなく新規客は獲得できない。初期投資をかけない場合は、オーナー、店長、そして、ママやホステスの実力が問われる。自分の顔で客を連れてこなければならないからだ。しかし、現在の不況のなか、それにも限界がある。
 今、新規でオープンする店は、すでにグループ店などの経営基盤を持つところがほとんど。居抜きのテナントが使用され、さながら各店のフランチャイズ化が進んでいる状況だ。一方、減少しつつあるポケットマネーで飲みに来る客は、本質的な部分で良いサービスを求めている。店名が変わっただけの目新しくもない新規店に、興味を持つはずもない。下手すれば、のれん分けした店同士で共食いをする状況に陥ってしまう。

(つづく)

長丘 萬月(ながおか まんげつ) 1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。


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