<地域のなかにコミュニテイをどうつくっていくか>
―高齢化率が25%をこえていると思いますがどういう問題が出ていますか。
金子 「老老介護」という問題や高齢者だけの世帯が増えてきています。いっぽうグランドゴルフなどで生き生きされている高齢者もおられます。コミュニテイセンターを造っていきますが、そのなかでみんな明るく楽しく過ごせる教室などを開いたりすることで、健康づくりや介護予防にもっと投資してもいいのではないかと思っています。そうしたコミュニテイを地域のなかでつくっていくのが重要であり、地域で高齢者が生き生きと過ごしていくことができると思っています。
<「聖域なき事業の見直し」と行政運営の合理化>
―地域が自立していくための行財政改革プランはどうお考えですか。
金子 柳川市の財政構造は自主財源に乏しく、地方交付税などの依存財源に頼っています。特に現在の普通交付税は、合併の優遇措置として合併算定替えに基づいて、臨時財政対策費を含み14億円ほど多く交付されています。しかし5年後の平成27年度から段階的に削減され、32年度からは完全に優遇措置がなくなります。そこで、これから4年半の間で徹底した行財政改革を行ない、優遇措置がなくなった時に耐えうる体質に改善しなければなりません。22年度を初年度とする第2次行財政改革大綱に基づき、聖域なき事業の見直しを行い、不要不急の事業は廃止や縮小し、「選択と集中」「スクラップアンドビルド」で今後の行政運営の合理化を進めていきます。
<合併特例債の効果的な運用>
金子 これからの4年半は、財政規模を縮小することだけではなく、合併特例債が使えるこの期間にやっておかねばならない事業はメリハリをつけて計画的に実施していきたいと考えています。たとえば柳川駅東部土地区画整理事業、柳川駅周辺地区事業、学校改築、コミュニテイ施設整備、道路・水路整備、庁舎統合、市民会館の改修事業などがあります。いま、国の動向が見極められない不透明な状況ではありますが、将来の柳川市を見据えた健全で計画的な行財政運営に努めていきます。
<公約を守り、市民の力を引き出していくこと>
―最後に、地域経営には市長のリーダーシップが不可欠です。意気込みをお聞かせください。
金子 マニフェストを掲げて市民の信認を得て当選しましたので、その公約を果たしていくことがリーダーシップにつながると思っています。「柳川に住んでよかった」という誇りを持てるまちづくりには、市民との協働が必要です。市内全域をくまなくまわり、市民の力を引き出すために、市民との直接の対話を通して意見を吸い上げていっているところです。また、議会との十分な議論はもちろん大事です。人口減少社会になっていくなかで、高齢化も進みコミュニテイセンターの役割も重要になってきますので、先進都市の事例を参考にしながら充実させていきたい。柳川は水が命と言ってもいい街です。魅力あるまちづくりのためには水の浄化、環境問題への取り組みが急務になっています。「金がないなかで知恵を絞っていく」のが首長の仕事でもありますので、市民の負託に応えるべく責任をもって市政に当たっていきたいと思っています。
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