今から10数年前、インターネットが普及する前は電話帳が一時期ブームになりました。その際、ある企業さんが『広告効果の統計を取りましたが、うちは電話帳でかなり集客が出来ているから、広告はいりません。だから来年の広告費は全て電話帳に投入します』と言ったんです。かつて今のインターネットブームと同じように、電話帳が効果があると言われていた時期がありました。しかし、１年たってその企業を訪問していたのですが、電話帳だけに広告費を投入した結果、売上げは前年の半分まで落ち込んだのです。売上げが半分になった為、新たに販売を行なう為の広告費も工面する体力がなくなり、結果として倒産に陥りました」と（株）ガリヤ・長澤社長は語る。
　電話帳は便利な媒体である。しかし、業界ではクロージング媒体と言われ、認知された上で利用する人が多いツールというのが一般的な認識だ。この経営者は媒体の特性を取り違え、電話帳を過信したが故に、最悪の結末を迎えたのだった。「フリーペーパーなどの広告は認知を広めるための媒体、電話帳はクロージングをするための媒体、これらは共存し合わなければなりません」。まさに"広告あっての電話帳"を理解しなかったゆえに破滅の道を辿る事になった悲惨な話である。

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