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中洲バトルロワイヤル

中洲バトルロワイヤル2010(34)~内装業者から見た中洲事情(下)
中洲バトルロワイヤル
2010年11月16日 08:00

 本企画初の2回に渡る記事掲載に戸惑う諸氏も多いことだろう。前回は、ひょんなことで知り合った中洲の飲食店で内装の仕事を請け負う業者さんから聞いた話を紹介した。今回も引き続き、まさに中洲飲み屋の内部から見た景況の話をお届けする。

 現在も、中洲で店を持つことは「一世一代の大勝負」と、内装にとことんこだわるオーナーもいる。ある店で聞いた話によると、あるクラブで、カラオケブースを設けるために特殊なガラスを使用した。
風営法上、中洲のスナックやクラブでは、店内が見渡せない造りにしてはいけないようになっている。その対策として使われたのが、電気を通すと不透明になるガラスだ。横2メートルの窓にはめ込まれた特殊ガラスは2枚、かかった費用は100万円。このほかにも、特に高級志向が強い中洲大通り付近の新規店には、バンドブースやバースペースを設けるところがある。

中洲の風景 もっとも、とにかく初期投資をかければいいというものではない。「ターゲットとする客層、そのニーズの把握、それに見合った料金設定を考えたうえでのコストの算出が必要です。今、オーナーさんには経営のバランス感覚が問われています」と、内装業者さんは語った。
 昔のようにイケイケドンドンとはいかない。「中洲に店を出せば、放っておいてももうかる」という時代は終わった。さまざまな要素を考慮したうえで立てられたち密に練られた計画に基づき、初期投資が行なうことが肝要なのだ。

 余談だが、業者さん直伝「中洲飲食店の内装工事を上手くやるコツ」をお教えしよう。通常、工事は店がやっていない昼間の時間帯に行なわれる。ある程度、仕上がったら施主であるオーナーのチェックを受ける。ここで"中洲特有の注意点"がある。それは、チェックを営業時間終了後の時間帯に行なわないことだ。なぜならば、その時間帯はオーナーが酔っていることが多いためである。
 酒が入って気分がよくなったオーナーから合格点をもらうことは簡単。しかし、そのことをオーナーが覚えておらず、再度チェックを受けることになることもしばしば。また、その逆のパターンで、泥酔したオーナーから執拗にからまれたり、酔っ払って塗り立ての壁に手形をつけ、工事自体がやり直しになるという悲劇が発生することもあるという。「契約する際には、前もって酒が入っていない昼間に見てもらうことを約束してもらいます」と、業者さん。中洲飲食店の新規オープン前にも人知れずバトルが行なわれている。

 業者さんによると、ここ数年で内装の基調となる色に暖色系が多くなった。「派手なものよりも、シンプルで落ち着いた雰囲気のものが好まれる」という。景況が厳しくなるにつれ、中洲へのニーズも変化しているということだろう。

(了)

長丘 萬月(ながおか まんげつ) 1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。


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