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【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(22)
特別取材
2010年11月17日 16:56

<最高経営責任者 CEOの役割 1>

 経営トップはすべての結果に責任がある。問題が起これば、部下のせいにして、トップは逃げてしまうケースがよく見かけられる。
 最高経営責任者CEO(Chief Executive Officer)とは、経営の最高の決定責任者であり、通常なら1年先まで予定がぎっしりで、そのうえ、予期せぬ危機が起き、日程が狂い、時間が足りず、焦りがあり、重大な決断をする重圧が常にあり頭から離れないものだ。
 ゼネラル・エレクトリック(GE)の元会長兼CEOジャック・ウェルチが、「私の履歴書」(日経新聞)で次のように述べている。「経営者の機能は複数のトップマネージメントにより遂行されるが、そのなかで、たったひとりのトップであるCEOに求められる役割は、他に委譲できない究極のトップの役割である」と。最高経営責任者CEOが最終の責任者としているのである。

 ジャック・ウェルチは、CEOが重視して、なすべき心構えを説いている。

1、常に首尾一貫して、トップが何を求めているかを常に素直に周囲に伝え、組織に統一性を与えること。朝礼暮改、ころころ方針を変えてはいけない。しかも、自ら威張らず素直に自分の方針を伝えることが大事。

2、形式ばらずに、自由に、気楽な雰囲気を作ること。地位、肩書きに関係なく、自分の意見を尊重してもらえる組織を作ること。権威で部下の意見を封じ込める組織であってはならない。

3、傲慢と自信の違いを知ること。自信のあるトップは人の異論・異見を歓迎し、素直に耳を傾けるものだ。トップは取りまきから、常にほめられ、おだてられているため、部下の異論は予想外のこととして抵抗感をもって受けとめてしまう。あいつは気にいらない、と排除してしまう。そのような組織はトップの顔色だけ見て、前向きな意見を言う雰囲気もない組織になり下がってしまう。変革の時代には全く対処できない。

4、最高のアイデアは常に現場から生まれる。本社からは何も生まれない、何も売れないということを肝に銘じよ。何もかも本社で決めなければならないという姿勢は、現場ではトンチンカンになって受けとめられることが多い。トップの自信過剰が現場を無視してしまう悪いパターンである。

5、人が第一、戦略はその次と心得よ。仕事で最も大事なのは適材適所の人事である。優れた人を得なければ、どんな戦略も実現しない。ゴマすり、情実人事をやるようなトップは最悪で、やがて、会社は衰退へ向かうだろう。

(つづく)

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません。

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