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【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(24)
特別取材
2010年11月22日 14:30

<最高経営責任者CEOの役割 3>

 GEのCEOジャック・ウェルチの「選択と集中」の中で、単純に、経営戦略の極め付きは世界一(日本一)のトップシェアを取ることである、と述べられている。結果、世界でM&Aのブームが起きたのは記憶に新しい。
 積水ハウスも、30年にわたり守ってきたトップ企業の座を大和ハウスに譲ったのは痛恨の極みだろう。しかし、誰も自分たちの責任をとることもなく今日に至っている。
 先の大戦の敗戦後、東京裁判で日本の指導者は異口同音に戦争責任を否定している。あれだけの大きな戦争を引き起こした指導者に、誰ひとり責任の自覚がなかった。一方、ドイツ、ニュールンベルグ裁判ではナチスの指導者は100%自分に責任ありと認めた。

 日本の指導者に共通しているのは、すでに既成事実として動いていた、自分には権限がなかった、関知する立場になかった、責任部署の責任者に責任があると逃避―こうした気質、風土は企業の業績低迷に対する責任論にもほとんど共通している。内部昇進の経営者の「脆弱性」とも言える限界を感じる。サラリーマン経営者が、むしばまれた企業の病変を知りながら、誰ひとり止める行動に出る者もなく、見て見ぬふり。そればかりかトップの不正に積極的に加担したり、傷口を深めたりした人たちが、出世の階段を昇っていくという組織の恐ろしさは計り知れない。

 安定した時代ならいざ知らず、今日の変化の激しい状況下で、企業が厳しい対応を迫られた時、余程の覚悟がなければ経営者は務まらない。従来型の出世で経営者に上りつめても、立ち行かなくなり、必ずや行きづまるだろう。

 アメリカの上位100社の経営者が考えている、市場の下降局面でのマネジメントとして
 1.企業の行き先を明確にする。
 2.すぐ行動する。
 3.従業員との対話を強化する
 4.従業員に感謝する
 5.変化に対応した技術革新
を上げている。

 最後のところでトップの「人間性」、あるいは企業理念に対する信念というものが効いてくると思う。

(つづく)

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません。

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