23日、アビスパ福岡はアウェーでの岐阜戦に勝利。4位の千葉が草津に敗れたためJ1昇格圏内の3位以上が確定した。
シーズン序盤は決して良くなかった。開幕2連勝で好スタートを切ったものの、4月には4連敗を喫するなど波に乗れず。2009シーズンの結果は11位と下位、また低予算のなかで行なった選手補強も満足なものではなく、J1昇格に期待する声は少なかった。
しかし、5月5日の熊本戦での大勝を機に怒涛の追い上げを見せる。そこから引き分けを挟んで6連勝。1敗した後、再び6連勝を飾りJ1昇格をたぐり寄せた。実力のある4位千葉と最後までデッドヒートを繰り広げたが、終盤で息切れすることもなく、残り2試合を残しての昇格を決めた。
5月に新経営陣(大塚社長、下田専務、田中常務)にインタビューを行なった際、大塚社長は「勝ち負けは後からついてくるもの。J1昇格は現時点での最大の目的ではない」と話していた。勝ち負けより試合の内容にこだわり、できるだけ多くの人に見に来てもらうことを重要視していたようだ。しかし、結果はJ1昇格。経営陣の地道な努力でファンを味方にし、選手のモチベーションは劇的に上がり、白星を積み重ねていった。今回の昇格は昨年までには考えられなかった、"フロント(経営陣)、選手、ファンの一体感"がもたらした結果と言えるだろう。
【楢崎 賢治】
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