関西の歴史的な生コン業界のストライキが終焉した。
11月17日に、生コン産業政策協議会(生コン産労・全港湾大阪支部・関西地区生コン支部)と大阪兵庫生コン経営者会とが交渉し、生コン価格の値上の達成や賃上げなどをめぐって、大筋の合意が確認された。最終的には、11月末日までに代表交渉や小委員会で細目を詰め解決することが決まった。よって、生コンのストライキは解除されることとなった。
7月2日からのストライキ突入から139日目。約4カ月半というロングランのストライキが終焉した。連帯ユニオンとの共闘による、ゼネコンによる価格叩きへの挑戦をストライキという形での実践。製造側は生コン供給を完全にストップさせて、連帯ユニオンとの共闘により、ゼネコンの価格叩きに対して果敢に"スト"という形で戦いこの度の成果を得た。価格の適正化や賃上げにおいて、一定の成果を得たことは事実である。一方、この手法が全国の生コン業界に活用出来るかは疑問である。なぜなら、協同組合と連帯ユニオンという労組が共闘する形でのストライキであった関西地区の事例。全国の都道府県各地区における組合組織の活動手法、力関係、理念など千差万別である。業界改善においても、温度差があることは事実として残る。長期的ストライキを行なえば、生コン工場も収入が無い状態が続き経営が苦しくなることも想定される。また、アウトサイダーという非組合の工場がストの間市場を席捲する可能性も大である。よって、価格交渉において感情的になって、「ストライキをして供給ストップだ」と気勢を上げても、かえって自分達の首を絞めることもなりかねないので、慎重な協議は必ずしなければならない。
だた、この関西生コン・ストライキが実施されたことで、ゼネコンの言いなりにはならないという毅然とした態度を見せられるという、いわば生コン協同組合及びその労働者らは卑屈にならず戦えるという、ある種"光"を導いたことは確かだ。
【河原 清明】
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