ディー・アンド・エイチ(株) 代表取締役社長 坂口 剛彦
<「家族の幸せを創造する」エアコンが1台もない環境共生の家>
家族の幸せを創造することをコンセプトに掲げ、環境共生をキーワードにした住まいづくりで実績を重ね続けているのが「ディー・アンド・エイチ株式会社」だ。同社代表取締役を務める坂口剛彦社長は、厳しい風が吹く住宅業界にあっても「当社にとっては追い風が吹いている」との確信を口にする。
坂口社長が取り組んできた、家族のための家づくりや、外断熱による高性能住宅、さらには自然や風を取り入れた環境共生・ローハススタイルの家づくりといった考え方が、これから家を持とうという人たちの間で認知が深まり、理解されてきていることを実感しているからだ。
その延長線上で、エアコンが1台もない家という新しい提案も好評だという。福岡市西区のHITマリナ通り展示場にある同社のモデルハウスには、光冷暖システムが導入されている。壁や天井の漆喰に塗りこんだセラミックパウダーによって輻射熱を共鳴させ、家全体を一定の温度と湿度に保つというシステムだ。空気を暖めたり冷やしたりするエアコンとは異なり、トンネルのなかがひんやりするのと同じ原理で家全体をコントロールすることができる。ほかにもメリットがある中核となるフィンの部分のヒートポンプを動かすだけなので、電気代も抑えられるというのだ。
「とにかく、モデルハウスでその心地よさを体感していただきたい」と坂口社長は自信をのぞかせる。
<資産価値が残る家づくり 企業と市民が一体になったまちづくりを>
坂口社長は、これまでの家づくりに対する日本人の考え方として、建物を資産とみなさない傾向があることに危機感を感じているという。
「30年で建物の価値がゼロになるというのは、世界的に見ても日本独特の現象です。それが今の日本の住宅の大きな問題でもあります。そして、その考えに立つと安い建物のスクラップ&ビルドを繰り返すことになるのですが、これは社会資本としては無駄なのではないでしょうか」(坂口社長)。
坂口社長が強調する「建物を資産とみなす」考え方は、福岡のまちづくり全体にもつながっている。いまの福岡にはまちづくりのコンセプトが見えず、景観や街並みが私たちの財産になっていないと坂口社長は指摘する。
「福岡のまちをこうしたい、という、トップの強いリーダーシップが必要だと思います。ただ、実際に大切なことはトップの力に頼ることではなく、企業や市民も一緒になって対話をしながら、福岡がアジアの玄関口としてどのようなまちになればいいのかを考え、ひとつひとつ実践しチャレンジすることです。そうすることによって、福岡というまちの文化が醸成されていくのではないでしょうか。そして、そういうまちになれば、家づくりの考え方にも社会資本の一部であるという認識を持ってもらうことができ、資産として次の世代に受け継がれるような家が増えてくると思います」(坂口社長)。
50歳のチャレンジとしてマラソンに挑むという坂口社長。「会社としても仕事自体が社会貢献となるように、そしてそのなかで企業として成長し、地域に必要とされる企業となりたい」と話している。
<プロフィール>
坂口 剛彦(さかぐち たけひこ)
1960年、山口県下関市生まれ。北九州育ち。91年、「(株)サクラハウス」設立。建設業の資格取得後、本格的に建設業に取り組む。04年3月、社名を「ディー・アンド・エイチ(株)」に変更する。
<会社概要>
ディー・アンド・エイチ(株)
代表者:坂口 剛彦
所在地:福岡市中央区平尾2-17-11
設 立:1991年5月
資本金:3,000万円
TEL:092-522-0500
URL:http://www.d-a-h.com/
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