滋賀発のラーメン店「来来亭」が、存在感を増している。2008年7月に小倉に出店したのを皮切りに、現在福岡県内では6店舗を展開。同店のラーメンは、トンコツ系は無く、醤油ラーメンがメインで、他に味噌や冷麺などのメニューが脇を固める。その他のメニューでもフライものや、一品料理などバラエティーに富み九州のラーメン店には無いものとなっている。
肝心の味はというと、筆者は根っからのトンコツラーメン派で、他の味は何か物足りなさを感じ敬遠していたのだが、同店の醤油ラーメンはどっしりとした味で、非常に食べ応えのある味。自分好みの味付けも可能で「九州のラーメンにうるさい人々もこれは納得するだろう」といった感想を持った。
経営するのは山口県宇部市に本社を置く「株式会社 真心(まごころ)」という会社である。滋賀本社からのれん分けを受け、広島から九州にかけたエリアで店舗展開をしている。今後の展開についてエリアマネージャーの中野氏は「来年九州内で5~6店舗出店していく予定です。場所は福岡だけに留まらず、候補として佐賀、熊本を考えています」と語る。いささか早い出店ペースではないかと思ったが、開店の午前11時になると続々と来店客があり、客足が途絶えない。12時前には客が店外に並んでいる状態となっていた。店内では明らかに物珍しさから来店している客も見られたが、常連客も非常に多い。ここまで受け入れられる基礎があるのであれば、中野氏のいう出店ペースは決して速すぎるというものではない一方で、同業他店は"強力なライバル"が着々と力を蓄えているという事実を、認識しなければならない。
【神田 将秀】
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