29日、福岡県飯塚市で行なわれた、民主党福岡県連幹事長・吉村敏男県議の県政報告会で、吉村氏は現在選考中の次期・福岡県知事選候補に「地方分権の視点を理解できる方を選任したい」と語った。
飯塚市内で開催された県政報告会には、地元を中心に多数の支持者が詰めかけた。その前で県政報告を行なった吉村氏は、来年(2011年)4月に行なわれる福岡県知事選について、「選考に残っているふたりの候補と面談を行ない、可否を決める」と発表した。
その選考について、吉村氏は「新しい知事候補の方には、地方主権の視点が理解できる方を選任したい。単に『民主党で地方主権が1丁目1番地だから』というわけではなく、日本のGDPは停滞から縮小に入っている。現状のなかで変えるには、最先端技術の開発、新しい技術モデル、地方主権の確立が必要。中央集権では権限・予算の使い方が中央で決められる。権限・財源を地方に移管すれば、同じ資源・同じ財源で、2割から3割、あるいは5割増しくらいの行政効果を出すことができる」との説明を行なった。
<選挙区・議席見直しで激戦へ>
県連幹事長の立場だけではなく、ひとりの県議候補としても、11年4月に行なわれる統一地方選に臨まなければならない吉村氏。その次期県議選では、選挙区および議席の改正により、自身も決して楽観視できない戦いに挑まなければならない。
前回(2007年)の選挙で、吉村氏が当選したのは合併後の特例措置により旧嘉穂郡山田市選挙区(定数3)。同選挙区と旧飯塚市選挙区(定数2)を含む旧嘉飯山地区は計5議席。しかし、次期県議選で同地区は、選挙区・議席数が改正され、飯塚市・嘉穂郡(桂川町)選挙区(定数2)、嘉麻市選挙区(定数1)の計3議席に。吉村氏は新たに飯塚市・嘉穂郡(桂川町)選挙区からの出馬する。
その背景には、次期選挙で不出馬を決めた吉柳順一県議(旧飯塚市選挙区)の存在がある。吉村氏と吉柳氏は、同じ昭和23年生まれで同じ高校の同級生。職場は違ったが自治労で再会し、自治労嘉飯山支部では吉村氏が委員長、吉柳氏が書記長として長年ともにした盟友であるという。
吉村氏は県政報告のなかで「(吉柳さんには)結果、たいへん申し訳ない決断をご承諾いただくことになった」「吉柳さんの分も含めて県議会、県政界のなかで力いっぱい頑張ることが私の責務です」と、力強く語った。
【山下 康太】
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