弊社記事「日本年金機構の闇」に関して「元徴収職員」と名乗る読者から寄せられた投稿を紹介します。
「年金機構職員による差押えは違法です」、そう聞いたらなんと思われますか。簡単に言うと、「民間人(外国人)による差押えは違法です」となります。
「差押え」は本来、民間ではできません。ですから、民事による差押えは「国家公務員」である執行官が債権者に代わって行ないます。また、差押えとは「自力執行権」の行使でもあります。これもまた、民間には認められていない権利です。「自力執行権」とは、債権を自ら強制的に回収する権利です。
さて、今回NET-IBニュースに掲載されている「生活困窮者に差押え~日本年金機構の闇」の年金機構による差押えですが、以下の2点からも違法性の強いことが推測されます。
まず、年金機構の行なっている差押えが「自力執行権の行使」ではないこと。国の債権の回収を「民間法人」が行なっています。
次に、民間人による差押えであること。ちなみに、年金機構の職員の採用条件に国籍要件はありません。「外国人かつ民間人」の年金機構職員が、日本人の財産権を侵害する可能性もあるわけです。
地方自治体は外国人を採用しています。しかし、差押えなどの仕事はさせていません。外国人地方公務員は、窓口業務などのみを行ない、不利益処分や課税、強制的な調査や差押えなどの業務にはつけないようになっています。外国人かもしれない非公務員の民間人が、国民の財産を強制的に徴収することができる。しかも、滞納という事実さえあれば"恣意的に"差押えができる。それが、年金機構に委任された差押えという業務なのです。福岡さんは裁判すれば勝訴できると思います。
日本年金機構が設立されて、"民間の知恵を導入する"という名目のもと、大量の中途採用の民間人が(政治家のコネで)職員となりました。また、人事評価も"民間の知恵"と称して実績重視となりました。これにより、ボーナスの査定は"差押えの件数"で決定される状態となり、特に民間からの中途採用組が、こぞって差押えの件数を競い始めました。
本来、差押えとは納付交渉の道具であって、使ってはいけない核兵器のようなものなのです。差押えをちらつかせつつ、自主納付させるのが本来の徴収業務であり、夜逃げや破産のときだけ、財産確保や多くの配当をもらう目的に行なうのが差押えなのです。"民間の知恵"と称した間違った競争主義が、年金機構での無意味な件数稼ぎの差押えの増加となっています。
この事件はもっと取材をすべきと思います。年金機構の問題はもっと他にも存在し、今回の事件は氷山の一角にすぎないからです。他にも泣き寝入りしている国民はたくさんいると思います。「年金機構による違法な差押え」を根絶してください。差押えは、厚生労働省の職員がすれば良いのです。年金機構の職員に財産調査や捜索、差押えの権利を付与すること自体が間違いです。年金機構設立に伴い、九州厚生局だけでも100人以上も職員が増えていると言われています。ようするに、社会保険庁解体に伴い、厚生労働省は"焼け太り"したわけです。その余りある人材で厚生労働省自らが差押えをすればいいだけで、年金機構に徴収に関する一切の権利を付与する必要は皆無です。ようは「自らの手を汚したくない」だけのことだと思います。
ちなみに年金機構が行なう差押え、財産調査、捜索については、すべて厚生労働省(地方厚生局)が事前に許可を与えています。年金機構の行なう差押えは、すべて国の責任ですから、年金機構の徴収職員は責任を感じることなく、自らのボーナスの査定を上げるべく差押え業務に邁進するわけでございます。
貴重なご意見ありがとうございました。
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