9日夕、中央区天神の福岡市役所ふれあい広場前で、11月14日投開票の福岡市長選で再選を目指す現職・吉田宏氏（54）が総決起大会を開催した。同会には吉田氏を推薦する民主党の枝野幸男幹事長代理が応援に駆け付け、肌寒いなか300人を超える聴衆が集まった。
　最初に、民主党や社民党の県議・市議が、吉田氏の応援演説を行なった。県議・市議らは、前市教育長・植木とみ子氏（61）が同日、選挙戦からの撤退を表明したことについて、「植木氏が自民党系の候補者と談合している」と断言したうえで、他候補者の批判を展開した。

　さらにその後、マイクを握った枝野氏が、植木氏について「（撤退したのは）自民党系の候補者と談合をして撤退を決めたからだ。談合までするなんて聞いたことない」と、厳しく批判。そして「旧態依然とした勢力が、談合までして票を集めにきているのは、吉田さんが元気な福岡を作ろうと4年間やってきた証拠ではないか。良識ある皆さんで、この談合を打ち破ろう」と、聴衆へ呼びかけた。
　吉田氏は、植木氏の撤退を「よくわからない動きをしたようですが」と前置きしたうえで「私がやるべきは、くらしの安心と都市の成長」とした。そして「前回の選挙でようやく市民の手に戻ってきた、市民のための政治を再び奪われてはいけない」との演説を行なった。

　それにしてもさすがは枝野氏。多くのマスコミが裏付けもできず、さまざまな憶測が飛び交うなかで、福岡入りするや否や、「談合」と断言する慧眼には舌を巻く。しかしながら、枝野氏は、７月の参院選で第３勢力として勢いを増すみんなの党と手を組む考えを示唆し、菅政権の支持率を低下させた。その経験が活かされた批判攻撃のように思える。

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