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特別取材

中村もときさんが語る、半世紀のアナウンサー人生(中)
特別取材
2010年11月30日 08:00

<46年間、第一線でやれた誇り>

 「RKBには昭和40年に入社したのですが、当時はカラーテレビが登場した放送界の激動の時代でした。特にラジオは、昭和40年は悪かったんです。スポンサーがなかなか入らなかった。前番組から後番組の間の数十秒をステーションブレークというのですが、コマーシャル(CM)の空いた時間をフリートークで埋めるのが新人アナウンサーの仕事でした。たとえば10分番組では実質番組は9分20秒で終わり、残り40秒を即興のフリートークで埋めていました」。
 今では考えられない時代である。放送技術が発達していなかった当時は、アナウンサーの個人力に頼らざるを得ず、しかも、新人となればとても緊張しただろう。だが、そのような重圧のかかる経験を経たことで、現在に至るといっても過言ではない。
 「僕は深夜のラジオ放送からスタートして、夕方のワイド番組に至るまで長きにわたりアナウンサーをやっていたのですが、ラジオとテレビの全盛期と衰退期を両方経験しました。54歳でRKBを辞めて、何のあてもなくフリーになったんですが、運よくKBCで番組を持つことができ、今年の10月1日まで46年間ずっと第一線でやれたことが誇りですね」。

(つづく)

【矢野 寛之】

<プロフィール>
中村もとき氏中村もとき(なかむら・もとき)
 1941年7月10日、福岡市生まれ。西南学院大学商学部卒。大卒後、RKB毎日放送に入社。若者向け深夜ラジオ番組、夕方のワイド番組などで人気を集めた。RKB退社後、フリーとなり、99年4月よりKBCの「中村もときの通勤ラジオ」のメインパーソナリティーとなった。通勤ラジオ終了後は、アナウンサー時代から数々のコンテストに入賞した腕前を持つ写真業を本格化させる。


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