(株)エフエム福岡 代表取締役社長 佐々木 克
<「~しながら」という特色を活かす>
(株)エフエム福岡は1970年6月に放送を開始し、今年で開局40周年を迎えた。2010年6月29日より、(株)西日本シティ銀行の元副頭取・佐々木克氏が代表取締役社長として就任している。FM放送の現状について、佐々木社長は次のように語る。
「私は、『FM放送は若い人たちが聞く』という固定観念がありました。しかし、今は違います。FMを聞く層は、どんどん移り変わっているようです。最近は若い人だけではなく、FMで育った団塊の世代まで皆さんがFM放送を聞くようになりました。新しく文化を創造するという意味では、ニューミュージックをどんどん流して時代の先端を行くという側面はもちろんあります。しかし、それだけでなく、『昔懐かしい』というような部分も残していくわけですから、そういう意味ではFMは変わっています」。
ラジオの強みおよび魅力とは、「ほかと時間や空間を取り合わないこと」だと佐々木社長は言う。
「新聞を読みながら、あるいはインターネットをしながら運転や家事をすることは難しいです。しかし、ラジオならばほかのことをしながらでも聞けます。ラジオは人々の生活のなかに溶け込めるのです。いろいろと工夫をすれば、今後も長持ちするでしょう。私は、ラジオの存在というのは、これからも大きいと思っています」。
<地域になくてはならない存在へ>
同社は、2010年6月の「福岡大都市圏ラジオ個人聴取率共同調査」にて、曜日別、年代別、男女別等すべての項目で首位を獲得している。また、JFN(全国FM放送協議会)加盟37局により開催される「JFN賞」でも、CM部門で大賞を受賞した。同社の番組が、老若男女を問わず、全世代のニーズを満たしていることがよくわかる結果だ。
地域の人々に愛され、全国的にも高い評価を受けている同社。佐々木社長は、「FMは地域密着が基本であり、『三位一体』でなくてはならない」と話す。そのため、社長に就任した際には、社員に次のように訴えた。
「地域、スポンサー、リスナーの3つが一体となることが大切です。まず、リスナーの皆さんに評価していただき、それがスポンサーの方々からの評価にもつながり、地域からもFM福岡をきちんと評価してもらう。この3つのどれかひとつが欠けても、弊社の存在はないのです。三位一体となって、私どもはその仲介役としてしっかりと存在する、そういった会社になりましょう。福岡において、FM福岡はなくてはならない放送局になりましょう」。
佐々木社長は、会社を「水と空気とFM福岡」という存在にしていきたいと語る。水も空気も、普段はその存在を意識することはないが、なくなってしまうとその存在の大きさに気づくもの。FM福岡も、そのような媒体でありたいという。
最後に佐々木社長は、「本当に存在感のあるものは、やがてその存在を意識しなくなります。FM福岡も、『毎日聞いているときには意識しないけれど、なくなったら大変だ』というくらい、皆さんの生活に溶け込んでいる存在でありたいのです。弊社は40年の歴史があります。代々の先輩が築き上げられたものを守り、発展させて、これからも地域にとってなくてはならない存在であり続けたいと思います」と語ってくれた。
<プロフィール>
佐々木 克(ささき かつみ)
1945年生まれ。68年に「(株)西日本相互銀行(現・(株)西日本シティ銀行)」へ入行。同行副頭取を務めた後、2010年6月29日より「(株)エフエム福岡」代表取締役社長に就任。
<会社概要>
(株)エフエム福岡
代表者:佐々木 克
所在地:福岡市中央区清川1-9-19
設 立:1969年7月22日
資本金:2億円
TEL:092-533-0807
URL:http://fmfukuoka.co.jp/
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