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特別取材

【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(30)
特別取材
2010年12月 1日 17:10

<エピローグ 1>

 これからの50年、世界はめまぐるしく変化するだろう。不透明で不確実な時代に突入している。
 最高経営責任者は激しい時代の変化を読み取るため、自分の意に沿う側近の意見ばかりを聞くのではなく、真に積水ハウスの発展を願い夢や希望を持っている、少々の反対意見を持っている社員の登用を図らなければ、時代遅れの会社になりいずれ衰退へ向かうだろう。過去の成功体験はまったく通用しない時代を迎えていることを、はっきり認識せねばならない。

 積水ハウスが「エコファースト企業」として、エコについての取り組み姿勢が良いということで環境省から認定されたのは名誉なことである。しかし、住宅のエコの最終目標は二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロにすることだろう。周辺のゴミを出さないとか、工場の生産工程で省エネを行なっているとか、社内でエコ活動をしているなど、企業の取り組み姿勢をアピールしているだけで、企業イメージを上げる効果はあるかも知れない。しかし、二酸化炭素排出量ゼロの住宅を開発・提供しているわけではない。他社の動きは確実にその方向に向かっているように思える。

 製造業を代表する自動車のトヨタ、電機のパナソニックは住宅事業を強化し始めている。家庭の電力需給を調節するスマートグリッド(賢い次世代電力網、コンピューターで消費電力と電力供給をリアルタイムに一致させる、電力需要に見合った電力を効率的に供給すること)の整備を見据えて、省エネ技術が住宅を中心に展開すると見ているのである。本業で培ったプラグインの電気自動車の開発、太陽光発電、風力発電による再生可能なエネルギーの導入が見込まれて、高性能な蓄電池の開発を通じて、グループの技術力を結集した「エコ住宅」の開発に本格的に取り組み始めている。
 
 日々、技術革新は進んでいる。このままだと、積水ハウスのエコファースト企業は近い将来、陳腐化するかもわからない。パナホーム、トヨタホームは住宅業界では5位以下の企業だが、技術革新により、大躍進もありうる時代であることを忘れてはならない。

(つづく)

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません。

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