トリゼンフーズ(株) 代表取締役社長 河津 善博
<養鶏が原点>
当社は「博多華味鳥」ブランドの鶏肉を販売する会社です。食の安全性が注目されるなかで、養鶏から加工、商品化、そして販売にいたるまで鶏肉に関する事業を一貫して行なっています。従来は同社の創業者である河津善陽会長がシベリアから帰国後の1949年に吉塚で始めた鶏肉小売業がルーツです。その後、61年に先代が「有限会社とり善」を設立。1962年に博多名物水炊きのお店を他店の見よう見まねでスタートさせました。
「お客様に安く鶏肉を提供したい」という思いから1972年に養鶏場を作り、処理場、新工場を次々と建設。1988年には「華味鳥ブランド」の立ち上げに至ることができました。養鶏場で育てられた鳥を処理後、当社と関連会社で設立した「トリゼン食鳥肉協同組合」で加工、製品化しています。その数は毎日1万5千羽です。
現在は水炊き料亭「博多華味鳥」を福岡、大阪、東京で11店舗(FC2店含む)、水炊き・鳥料理の「博多華膳」を5店舗、焼鳥店「鶏屋三八」を3店舗展開しています。昨年3月には熊本・白川温泉に旅館「華匠庵」をオープン致しました。飲食店のみならずホテルまで経営している食品メーカーは珍しいと思います。
我が社では水炊き料亭「博多華味鳥」を中心とした飲食店を事業の柱にしています。1号店は14年前に中洲でビルを購入し、オープンさせました。当初から博多水炊きを出そうと決めており、どうせ出すなら博多の顔である中洲に出したいと思っていたので、願いが叶うことになりました。軌道に乗るまでに5、6年かかりましたが、お陰様で現在は秋から春先にかけてはいつも満席になる盛況ぶりに恵まれています。現在、年間数十万人の方々に愛される店舗になりました。オリジナルの水炊きスープも鶏コラーゲンが美容の側面から注目されたこともあり、大きな追い風となっています。今は攻め時で今後も新規店舗の出店は積極的にやっていきたいと思っています。
<通販事業から鶏糞の再利用まで幅広く>
その他、業務用食材を扱うほか、水炊きスープ、ポン酢のほか、レトルトカレーなどのオリジナル商品をスーパーやデパートに販売するほか。通販部門にて順調に販売しております。
最近では農業事業部門を立ち上げ、養鶏場で出る鶏糞を再利用するビジネスをスタートさせています。それまで鶏糞はゴミであるほかに産業廃棄物として扱われていました。"これを何とかビジネスに出来ないか"と考えたのちに生まれたのが鶏糞の堆肥化です。菌を培養することで肥料化に成功し、現在品質のテスト中です。来年2月までには完成させ、商品化したいと思っています。
弊社は現在、五百名規模の企業になりました。しかし、売上至上主義にならず、利益を生む軍団になりたいといつも思っています。力強い組織作りの真ん中にあるのは「教育」。年数はかかりますが幹部クラスを育てることが今後の課題です。来年、同社ははじめて大卒の新卒を採用します。高卒を含めて11名採用予定です。現在、東京、大阪に出店していますが、今年の7月29日には中国・大連において「博多華味鳥」をオープンさせました。今後1、2年の間に海外へも積極的に出店し、国内外に博多の食文化を広めて行きたいと思っております。
<プロフィール>
河津 善博(かわつ よしひろ)
1954年福岡市生まれ。西南学院高校卒。トリゼン食鳥肉協同組合代表理事。西南学院高校同窓会会長。吉塚カトリック保育園理事長。福岡ライオンズクラブ所属。
<会社概要>
トリゼンフーズ(株)
代表者:河津 善博
所在地:福岡市博多区千代1-8-13
設 立:1987年3月3日
資本金:6,400万円
TEL:092-641-6301
URL:http://www.hanamidori.net/
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら