12月1日、金丸近・丸美元会長らの有価証券偽造等事件につき、第1回公判が福岡地裁で開かれた。
公判において、金丸被告は「会社が設立されていなかったとは知らなかった」として、起訴内容を否認し無罪を主張。他方、元経営管理本部長の増永浩一郎被告は、「元会長の指示に従っただけ」と述べて起訴内容を認め、旧経営陣相互の主張が食い違う形となった。
本件は、丸美が2006年に「合同会社 丸美堺筋本町ビル無担保社債」と称して、一般から資金調達を図った事件。「合同会社丸美堺筋本町ビル」は実在しなかったため、社債券を印刷・販売した行為が有価証券偽造・同行使罪に問われることとなった。
公判において検察側は「金丸被告が偽造社債を発行するように指示した」と指摘。これに対して金丸氏は「会社が設立されていなかったとは知らなかった」として、偽造罪の故意を争う姿勢を示した。
なお、今回の公判に先立つ11月27日、福岡地検は金丸被告を詐欺罪でも追起訴している。こちらは、リゾート会員権の預託金をめぐるもので、一連の事件ながらも本件とは別の件。逮捕当時から一貫して無罪を主張している金丸被告は、ここでも無罪主張を繰り返すものと予想される。
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