新卒の内定率が未曾有の低さを示し厳しい環境が浮き彫りになっているが、見方によっては、採用側にとって優秀な人材を確保するチャンスとなる。ところが、ある警備業界関係者は「この業界には全く反映されていない」と首をひねる。「この数カ月人材募集をしてもほとんど応募がない。かつての不況でもここまでひどくなかった」というのが実情だ。マスコミ報道とのギャップに戸惑いを隠せないが「若者を中心に日本人の気質が変わっているのかもしれない」と指摘する。どんなに困っても3Kといわれる業界には就きたくないという人が増えているというのだ。
こうしたなかで、注目されるのが外国人警備員の存在だ。別の業界関係者は「留学生をはじめ多くの優秀な人材がおり人によっては日本人より真面目に働く」として採用しているという。先の関係者も「こうした人たちの活用をいずれ考えていきたい」と前向きだ。ところが実際の雇用は進んでいない。「この業界への外国人の雇用に警察の関心が極めて高い。国籍などを必ずチェックされる」というのだ。すると安全に直結する業務だけに「もしものリスク」を考えると採用側としてはどうしても慎重になる」という。危険と隣合わせの業務だけに言葉を含めたコミュニケーション能力が問われる職種には違いないが、有能で語学に堪能な留学生も少なくない。
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