(株)九州クラフトマンシップ 代表取締役社長 荒木 伸二郎
<「職人魂」を持って>
「株式会社 九州クラフトマンシップ」という社名は直訳すると「九州の職人魂」という意味が込められている。同社は2007年3月の会社設立と業歴は浅いが、実直に納得するまで仕事をする職人集団であり、業界では相応の知名度がある。営業品目は製缶、配管、鉄骨などがメインであるが、鞍手郡鞍手町には工場を構え、金属加工なら何でもこなせる技術力がある。顧客からは「こんなモノやあんなモノ」とイメージで伝えられることもあるようだが、設計から施工までを自社で一式受注するため、イメージからの製作が可能となっている。
会社設立から丸3年が経過した今、同社は新たな顧客開拓に邁進中である。現状での受注先は地場企業が主体であるが、荒木社長は東京や大阪などへも積極的に展開を仕掛けて、同社のメリットを説いて回っている。また、最近では同社のホームページを通じて、一般の方からの問合せもあり、ステンレス製のカーポートや犬小屋なども手掛けたと言う。正に金属加工なら何でもこなせるのだ。
荒木社長率いる同社の従業員は若く、元気が良い。しかし、自分達が納得するまで丹念に仕事に勤しむことで、顧客からの信頼は厚い。「職人魂」という社名の通りの姿がそこにはある。
<地域への恩返し>
同社は「年中無休24時間電話対応」を謳っており、顧客からの評価は揺ぎ無いものとなっている。その理由は、荒木社長は会社の発展と共に、自身が育った北九州市の発展に少しでも恩返しがしたいというのが根底にあるからだ。北九州市は福岡県内では福岡市に次ぐ規模の都市であるが、近年は様々な要因で人口の流出に歯止めが利かず、現在の人口は100万人を割っている。その上、政令指定都市のなかで最も高齢化率が進んでいる都市である。一見、これらの状況を鑑みると、否定的な要素が多いように思われるが、荒木社長は今のこの状況を逆に活かすことを提言している。
北九州には門司港レトロ、皿倉山そしてスペースワールドなど観光スポットとして全国的に名高いものがある。また、小倉駅北口には心臓カテーテル治療の世界的権威の延吉正清先生が率いる小倉記念病院が移転した。魅力的な観光地や訪れてみたいと思わせる手立てはまだまだあるはずだ。
荒木社長は通常の観光のなかに、メディカルチェックを含めた医療を加えること、また、次世代を担う子供たち向けの施設の拡充を唱えている。これは自身の経験に基づいている。休日に自身も子息を伴い、アニメの施設を訪れた際の賑わいを肌で感じ、そう思ったという。
北九州市は福岡市に追いつけ、追い越せをスローガンとして、百貨店などを誘致しても発展はないと荒木社長は語る。それよりも、現状を詳細に分析することで、北九州らしい施策が出てくる。既存の施設を有効に活用し、利用方法を変えることで人の流れは変わるはずともコメントした。荒木社長は自身が様々な場所で提案していくこと、そしてここから一歩ずつ踏み出していくことで、魅力ある北九州市の未来が見えているようである。
<プロフィール>
荒木 伸二郎(あらき しんじろう)
1980年3月、福岡県北九州市若松区生まれ。学卒後、「高田プラント建設(株)」を経て、2007年3月、「(株)九州クラフトマンシップ」を設立。従業員の平均年齢は31歳と若い会社であるが、自分達の技能を信じ、誇りとし、納得できるまで念入りに仕事をする実直な職人集団を目指している。
<会社概要>
(株)九州クラフトマンシップ
代表者:荒木 伸二郎
所在地:福岡県遠賀郡水巻町梅ノ木団地41-17(本社)
福岡県鞍手郡鞍手町中山2264-9(工場)
設 立:2007年3月
資本金:320万円
TEL:093-203-3288
URL:http://kurafuto.dip.jp/
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら