第35代福岡市長に12月7日就任した高島宗一郎氏。同日、就任会見が福岡市役所で行なわれた。高島新市長が今後の福岡市政をどのように舵取りしていくのか。記者からの質問は、こども病院移転の検証、市役所の人事、市営地下鉄民営化、広報戦略室、補正・新年度予算に優先課題など、多岐におよんだ。
これよりテーマ別に回を分けて、おけるその内容を掲載していく。
<こども病院移転の検証について>
―こども病院についてですが、選挙戦で検証されるということをおしゃっていました。今、就任してお考えはどうですか。
高島市長 基本的に何ら変わらないです。選挙時と同じです。
―検証作業はどのようにされていく予定ですか。
高島市長 イメージでは、市長室直轄のできるだけ専門的見地に立った検証チームで行なっていきたいと思います。
―その間、今進んでいる事務的な作業は一端ストップして検証をされるのですか。半年間の事業凍結というのはそのままですか。
高島市長 そうですね、もちろんできるだけ一刻も早く病院を建設したいということはありますが、およそ半年ぐらいを目処に(考えています)。
―各派(市議会各会派)からはそのへんを考慮して頂きたいという話だったのですが、どう考えていますか。
高島市長 一刻も早く病院を建設したという気持ちは、やはり皆さん一緒だと思います。ただこれまでを振り返ると「ことを急いて仕損じている」、こういったことが非常に多かったと思うんです。1ヵ月以内に検証を終わらそう、結果を出そう、または見積もりを出そうと。こういった急ぎ過ぎた部分で、市民がスピードに付いていけなかった、あるいは同意を得られなかったと思います。そこに関しては私がなかに入り、市民と同じスピードで進め、しっかり納得をしてもらったほうが、逆に早く進むと思います。これまで、ここに大切な時間をかけなかったがために今まで、この問題が延びてしまったと思います。「急がば回れ」ではないですが、検証して皆で気持ち良く(新病院を)造っていきたい。
こども病院は福岡の宝ですよ。こどもを守る病院を福岡市が持っているということですから、これをやはり、本来の誇らしい病院。その認識をしっかり取り戻していく。こども病院に問題を作るという状況がおかしいと思います。もっとすっきりさせたい。
―検証のなかには、どのような病院を造りたいという、それなりの想いがあると思うんですが、どのような病院をイメージされているのですか。
高島市長 私のなかでは、病院というものの意味を考えたときに、やはりそこに行ったらこどもが救われるという。これが、何しろ一番だと思います。こどもが救われる病院を造る。これが一番だと思います。
―市長は以前、記者会見で九州大学医学部の敷地内も、選択肢のひとつだとおっしゃっていましたが、場所を含めて再検証するという考えなのですか。
高島市長 検証ポイントは、大きくふたつあると思います。ひとつは、建設費に関して1.5倍になった不透明な経緯を明らかにする。これに関して、多くの市民が「何らかの意図があって、一定の結論が出るように持っていったのではないか」と疑念を持っている。ここをきちんと払拭しなければいけない。
そして、もうひとつが内部だけの検証だったということに関して。ここの部分に関して、できるだけ専門的な方の意見も入れながら、再検証することによって合理的、そして妥当であったか。ここをしっかり見ていくことが大事。そのなかで、九大の医学部(の敷地内)というのも、話は出たはずなんです。これがはたして、しっかり議論されてきたのか。という部分が、その経緯を辿るなかでひとつ検証には入ってこようかと。
―専門家というのは、どういった人ですか。
高島市長 いかに客観的な結論が出るかというのが、凄く大事だと思います。物事に皆、同じ意見になるということはないと思います。たぶんこども病院に関し、どのような結論が出ましても、なかなか全員の思いがひとつになることは難しい。ただ一番良いのは、できるだけ基本的な見地から、そして、こどもの命が最優先という見地から見て、たとえばいい病院だったのか、その検証が合理的妥当性を持って議決されたのか、議論されてきたのか、この客観性が証明できればいいのだと思います。
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