8日、福岡市議会で議員定数調査特別委員会が開かれ、現在の議員定数に関する各会派の意見交換が行なわれた。現在、各会派の意見は大きく分けて、自民「2減」、公明・民主・平成会「1増3減」、みらい「1減か2減」、共産・ネットワーク・福政「現状維持」、社民「1増2減」と細かく分かれている。主な問題意識である票の格差是正、財政縮減に関して、各会派からはさまざまな意見が出てまとまらず、結論は14日に持ち越しとなった。
人口比例で各区ごとの適正議員数を考える場合、各区の人口を「議員ひとりあたり人口」で割った「配当基数」が参考値となる。「議員ひとりあたり人口」は、市の総人口を議員総数で割ったもので、当然、議員総数を「63」とするか「61」とするかによって算出される配当基数は変わる。ただし、いずれの場合も西区においては1議席不足している。以下、記事下の表を参照。
「1増3減」とする場合、早良区と南区が1議席減の対象となる。博多区と城南区については配当基数が僅差との指摘(みらい)があった。どちらかを削減対象として選択するには"人口比例以外の理由"が必要になるだろう。
また今回、平成17年(2005年)の国勢調査をもとに議論が行なわれている。その後、5年間で福岡市の人口は6万人ほど増えていることを考慮し、慎重な姿勢をとる会派(自民)も。ただし、来年(11年)2月の平成22年(10年)国勢調査を待ってからでは、4月の福岡市議選が差し迫っているため、12月中に結論を出す方針。
なお、あるベテラン市議からは「西区1増、早良区・南区各1減の「1増2減」で話はまとまっていくだろう」との観測が立っている。
そのほか、「野党の複数性、多様な意見・批判が損なわれる。財政縮減なら議員報酬削減と海外視察費廃止で行なうべき」(共産)、「少数精鋭(議席削減)でさらに歳費縮減」(平成会)、「63人の議員がムダと思われている風潮が問題」(ネットワーク)といった意見があがった。
議員の適正数を考慮するうえでは、一人ひとりの議員の質、仕事の量なども考慮すべきであり、数の議論だけに終始してはならない。有権者側も高い関心をもって、その経緯に注目していくべきだろう。
【山下 康太】
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