<中国人のトップたちの気質がチェンジ>
王さんは商売の材料調達のために1年に5回は帰国する。場所は北京から南西に400キロ離れた田舎の都市である。最近、この都市のホテルで500元(日本円7,000円)の立食パーティに参加したが、大盛況であった。田舎の中堅クラスの中国人でも日本円1万円程度は大金ではなくなった感じだ。宿泊したホテルでマッサージを受けた。このマッサージ師が「中国の経済力は日本を圧倒するようになった」と自慢げに話していた。
ところがだ。確かに国民総生産力で中国が日本を抜いたことは事実なのだから中国政府もマスコミ新聞も仰々しく発表、キャンペーンすれば良いのにそういう派手な動きが見当たらない。王さんは違和感を抱いた。「今までの中国の慣習では意気揚々と自慢するのにな」と首を捻った。突然、閃きが過った。「そういえば本当に金を持った最近の中国の成功者達は自慢げな素振りをしなくなったな」と気づいた。「金持ちぶりを隠すようになったということはそれだけ謙虚になった証拠だろうか。これを成熟したというのであろうか」と王さんはこの変化に戸惑っている。王さんが育った時代の中国人気質は何処に行ったのだろう。
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