北朝鮮の砲撃にうろたえる必要はない。問題は中国が後押しするかどうかの話だけだ。それよりも何よりも、中国の覇権傾向主義の脅威に対して、「日米韓同盟の強化路線か中国宥和すり寄り路線か」の選択をめぐり、日本国内では深刻な亀裂が生じている。民主党政権は無策に終始する様だ。仮に自民党政権の復活があったとしても、同様である。日本丸を操縦する政治船長が消息不明だ。よって日本丸は現在、あてもなく漂流しているのである。
国内に目を転ずると、地方からの異議申し立てが先鋭になっている。米軍基地問題に目を奪われているが、沖縄県民からは「日本の一翼を担っていて何か得することがあるの?」という厳しいレッドカードを突きつけられていることを忘れるな!!
「偏狭の地」いや「辺境の地」、阿久根の住民たちからは、「市職員・市議会議員の特権」への異議申し立てがなされている。このパワーが竹原市政を誕生させた。「偏狭な輩」と切り捨ててはならない。住民たちの意識の根底には、「近い将来において阿久根のコミュニティは必ず崩壊する」という危機意識が横たわっているのだ。阿久根と同じように、全国津々浦々、地方で生活している方々は不安を抱いている。阿久根での動向は地方に連鎖するだろう。
<4年大学生にチャンスを与えなくて良いのか!!>
地方の痛みだけではない。若者への矛盾のシワ寄せも凄い。熟慮するにつけて「よくまー、暴動を起こさないものだ」と身震いがくる。たまたま「ゆとり教育」なるものが若者を骨抜きにしてくれたおかげで、社会は静寂を保っているが―。しかし、大学のレベルがダウンしたとは言えど、就職活動をしている大学4年生の内定率が50%しかない現実をどう捉えるか!!能力云々という範疇ではない。これは、若者の働く場を与えない社会問題である。
経営者の皆さん!!「若者に覇気がない」と論評するのは容易い。しかし、問いただしたい。「大学4年生を採用することを敬遠する経営姿勢は、まったくナンセンス。『覇気なき若者』と同じ人種の『意気地なき経営者』と呼ばれるのではないでしょうか。これでは経営の難局は乗り切れません。『暖簾を下ろしたほうが良い』と勧告します」。どうであれ、大学4年生の50%にしか就職の機会を提供できない日本社会は末期だ。
「若者よ、大志を抱け!!ご臨終になった日本を見捨てよ!!海外に活路を見出せ!!無限の可能性があるよ!!」というアジテーションに呼応して行動する若者は、まだ救いがある。出稼ぎ精神で道が拓かれる。新卒就職戦線に挫折した50%の若者たちのなかで、再生できる確率は20%しかないだろう。言い換えれば、就職戦線で敗北した2011年3月に卒業する4年生の40%は、一生負い目を感じて生きなければならない運命が待っているのだ。
「覇気のない若者」とせせら笑った経営者たちにも、過酷な経営が立ち塞がっている。「デフレと売上不振」で、廃業するかどうかの瀬戸際に立たされているのだ。打開の道は「大市場へ漕ぎ出す」経営気概を持つことだ。「出稼ぎ魂」のうえに漕ぎ出す経営スキルに磨きをかければ、前途はさほど厳しくはない。2011年は、「出稼ぎ魂」を武装して、大海に船を漕ぎ出す経営者が続出する記念の年になるであろう。我々は無策で「日本丸沈没」に付き合うわけにはいかないのだから。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら