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中小企業の事業承継の核心 後継者が決まっていなくとも「経営の見える化」の着手こそが決め手(4)
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2010年12月14日 09:00

 中小企業は日本の法人数の99%、民間企業就業人口の80%を占めているが事業承継は一向に進んでいない。事業承継は事業を継続する上で、避けて通れない道であるが、行政書士の竹内正宣氏に解説いただいた。

【図1】事業継承ステージの区分イメージ

※画像はクリックで拡大します

<II.事業承継の決め手(3)>

【創業者による指名・決断】
(図1の「事業ライン」、「プレ・ビフォア期」参照)

「経営の見える化」(知的資産経営への転換)がかなりできると、この過程で自ずと経営者に適する人材は見えてくる。

■親族から
 転換を社員とともに成しきることで名実ともに後継者になる。

■社内から
 適材が親族でない場合、残したい事業のために所有権の保持だけにする。その場合も社員後継者が能力を発揮しやすくするために株式の2/3の譲渡を実施する。

■社外から
 経営に転換の過程でどうしてもリーダーが現れない場合社外から経営者を迎えることもあり。中堅幹部によるみこしができることは重要。乗る人(社外から来る経営者)には経営が見えることで理解と共感を得やすい。

<III.「経営の見える化」に着手しないまま相続が開始したときは>

 新経営者は社員とともに「経営の見える化」(知的資産経営への転換)に着手するほかに経営の継続の道はない。(図1の「事業ライン」、「ポスト・アフター期」参照)

 事業継続のためには新経営者に経営資源が集中するように最大限バックすることが第一。(図1の「親族ライン」、「ポスト・アフター期」参照)

<まとめ>

 わたしごとであるが、8月から有る方の紹介で福岡県中小企業家同友会の会員となった。ここで厳しい経営環境でも対応していける会社作りとは社員とともに経営方針書を作成し、社員とともに常に見直していくことであると学んだ。私は「事業承継の核心は社員とともに「経営の見える化」をすることとの確信をさらに強くした。

 事業承継に躊躇されている事業主さんのうち1人でも、本稿がきっかけとなり具体的な一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いである。

 最後に行政書士は許認可等の法的具備要件に精通し、また契約書等の文書作成を得意としており、属人的な資産を構造資産化や関係資産化したり、知的資産経営報告書の作成等で中小企業主のみなさんのために汗をかくことをいとわない。お声をかけていただきたい。

<詳しくは>
・中小企業基盤整備機構(事業承継について)
・中小企業庁ホームページ(事業承継に関する税制について)
・経済産業省知的資産経営ポータルサイト(知的資産経営について)
・福岡商工会議所事業承継支援センターが平成20年12月にまとめた「事業承継に関する実態調査」

(了)

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