2011年の干支は何ですか?と聞かれたら大抵の人は十二支のウサギ年と答えますがそれでは完璧な答えとは言えません。干支は十干も加えますから正確に言うなら辛卯の年ということになります。
十二支の方は親しみがありますから皆さん直ぐにウサギ年と答えられますが、十干の方は馴染みがないせいかカノトと直ぐには答えられない人の方が多いようです。
そこで西暦何年がどんな干支になるのか簡単に計算する方法を紹介しておきましょう。
元々暦法が日本に伝わってきたのは三十三代の推古天皇の時代です。日本ではこの頃から天皇という名前を使いだしましたがそれ以前は大王と呼んでいたようです。
暦が使われるようになって四十代の天武王朝の時に古事記と日本書紀が編纂されました。中国では古くから辛酉の年に大革命が起こるという言い伝えがありました。日本でもこの考えにあやかって初代天皇である神武天皇は紀元前660年1月1日の辛酉の年に即位されたと記載されております。辛酉の年は58番目の干支です。
2011年の干支を求めるには2011から3を引きます。干支は60番までありますから58番目の辛卯の年は1番の3つ前。つまり、3を引くことによって1番の位置に移動させるためです。2011から3を引くと2008になります。これを干支の数である60で割ります。答えは33で余りが28になります。この余りの28が2011年の干支つまり28番目の辛卯の年にあたるわけです。でもこの計算の答えだけでは干支の順番を全部覚えていないと28番目の干支が何にあたるかわかりません。
そこで干と支をそれぞれ別々に割り出す方法が必要になります。何故なら干なら10個、支なら12個の干支を順番に覚えられておけばそれを組み合わせることによって60個総ての干支が分かるからです。その方法は先程の2008を十二支の総数である10で割ります。そうすると答えは200になり余りが8になります。200は干の辛が今年で200回目と言うことを表します。そして余りの8が8番目の干である辛を表しています。参考までに十干は順番に1.甲(こう)、2.乙(おつ)、3.丙(へい)、4.丁(てい)、5.戊(ぼ)、6.己(き)、7.庚(こう)、8.辛(しん)、9.壬(じん)、10.葵(き)です。この十干は五行の(1)木、(2)火、(3)土、(4)金、(5)水に兄、弟を付けて対応できます。ちなみに干の1の甲は五行の(1)の木の兄と書いてキノエと読みます。同じように2の乙は木の弟と書いてキノトといいます。したって辛卯しんぼうはカノトウとも読む訳です。
なぜ、2011年の展望に対して易経にこれだけこだわったかと言いますと現実の経済の見通しでは好材料が見つからないからです。「思う信念岩をも通す」と言いますが人の思いや力は思ってもみないことを実現させてくれるものです。2011年はそれにあやかりたいと思って干支にこだわってみたのです。
【高塚 猛】
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