わが国の生コンクリート市況は、各社各工場厳しい戦いが継続している。今もって上昇する兆しはない。
11月末のZENNAMA発表の2010年10月単月における出荷量は、787万3,469m3。前年同月比99.7%。07年3月以来44カ月連続での前年同月比マイナスの出荷が続いている。残念ながら、4年間連続でマイナスを記録するであろう。
年度ベースで10年4~10月の出荷実績累計は、4,812万9,267m3。前年同期比95.9%。現在のペースでの出荷であれば、年間8,250万m3の出荷量の見込みで辛うじて8,000万台は確保できるかである。比率では、09年度の95.8%である。
(10年3月現在の工場数3,714での仮説で)1工場あたりの年間平均出荷量は、22,213m3。月換算で1,851m3。現在まで工場数の減少が加味されていないので、差異はあるが大きく開きのない数値である。
小細工せずに、通常の経営であれば何度も申している通り月間3,000m3の出荷量が必要である。協同組合における赤黒調整で、急場をしのいでいる状況が見え隠れする。しかし、組合の資金もそう潤沢にあるとは想定できない。月1,800m3の出荷量でも続けていくのか?
今ならまだ間に合う工場や企業は、是非相互間で協議して経営合理化を一緒に実行したほうが、賢明であろう。生コン業界の慣習や常識など、過去のことは一切考えずに、今そしてこれからどのようにして生き残るのか、地域毎の業界内で連携していかねばならない時期に差し迫っている。
【河原 清明】
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