コカ・コーラウエスト(株)(本社:福岡市東区)は、10月下旬発表した2010年12月期の連結決算の業績予想で2月時の予想より大幅に引き上げた。売上高は当初予想より76億円多い3,769億円を見込んでいる。コスト削減も順調に進んだことから経常利益は2月時の予想よりも実に49億円多い115億円に修正した。同社は09年1月に近畿コカ・コーラボトリング(株)、三笠コカ・コーラボトリング(株)(奈良県)らと合併し日本最大のボトラーとなった。今期は健康食品のキューサイ(株)(本社:福岡市中央区)を子会社化するなど規模の拡大に余念がない。
しかし、今後、市場が成熟しているなか、人口減など外部環境を鑑みれば主力の飲料で業績を伸ばしていくのは困難と予想され る。実際に、同社の業績拡大を支えてきたのは合併や買収などで、今期の売上予想が跳ね上がったのもキューサイ(株)の売上に依るところが大きい。本業で伸ばすために重要になるのは最も市場が大きい関西の強化だ。今年1月代表に近畿コカ・コーラボトリング(株)出身の吉松民雄氏が就任した。近年、他の人事も「適材適所」により本社に近畿系の人材が流入している。関西強化のための本社移転も現実味を帯びてくる。同社は「(移転の計画は)全くない」と現時点で完全否定している。
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