止らない韓国・サムソングループの勢い―。電気自動車や携帯電話などに利用されるリチウムイオン電池の今年の世界シェアは韓国・サムソングループが首位に躍り出る見通しとなった。これまで首位の座を守っていた三洋電機は2位に陥落する。液晶パネルなどと同様、かつて日本が得意としていた分野で、またひとつ韓国企業に追い抜かれてしまった。
今回のこの流れを如何に見るか、国内大手機械・電機専門商社に取材をすると次のような危機感を持っていた。「現状、リチウムイオン電池が使用されるのは、携帯電話やパソコンなどであるが、近い将来、電気自動車の普及が必至であることを考えれば、国内経済には大打撃となる」と分析している。
この分野は数年前まで日本企業のシェアが殆どであった。日本企業がその座に胡坐をかいていた訳ではないだろうが、結果を見るに韓国企業の将来的需要を見越した戦略勝ちと言わざるを得ない。5年後、電気自動車の販売が増すと予測される。そうなれば、リチウムイオン電池は益々必要とされることは明らかであり、市場規模は現在の数倍となると見られている。
昨年末より、首都圏の韓国・台湾・中国向けの半導体製造装置業者は猫の手も借りたい程忙しい。他方、国内産業はどうだったのか。官民挙げて「営業」活動をする韓国に学ぶべきところは多いはずである。
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