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福岡への提言

福岡の〝売り物〟を積極的にアピールすべき～あなぶき興産九州（株）・柴田社長

福岡への提言

2010年12月21日 08:00

あなぶき興産九州（株）　代表取締役社長　柴田　登

＜マンション、仲介、複合開発など
九州地盤の総合不動産企業へと展開中＞

　「あなぶき興産九州（株）」は、中・四国でトップクラスに位置するデベロッパー「穴吹興産（株）」のグループ企業。同社が「（株）東峰住宅」から不動産開発事業を譲り受けたことに伴い、2007年２月に設立されたばかりの若い会社であるが、柴田社長の強い指導力の下、九州に密着した事業を精力的に推進している。「競合の業者さんが多い福岡は、ビジネス面から見るとかなり厳しい所です。しかしその分だけやりがいがあります。特に来年（2011年）は九州新幹線も全線開通しますし、福岡を基点に九州全体を視野に入れたビジネスを加速させていきます」と柴田社長は抱負を語る。
ファミリー向けマンション「アルファステイツ高取」　その主力事業はマンション事業である。高級タイプの「アルファガーデン」やファミリー向けの「アルファステイツ」などのブランドをもつ『アルファシリーズ』を、これまでの福岡や熊本、鹿児島で供給していたが、これを大分、長崎、佐賀といった九州一円に拡大していく予定だ。さらにひとり住まいやカップルで住む若い人をターゲットにした「アルファプレシャス」ブランドを立ち上げ、マンションに対するさまざまなニーズに対応していく。
　一方、関連会社の「穴吹興産」は、中・四国において、仲介ビジネス、不動産開発、ホテルや介護施設の運営、行政からの施設運営など総合的不動産業として確固たる地位を築いている。「あなぶき興産九州」ではこれら事業の九州域内における展開を図る。「今は景気の低迷で、建設・不動産業界には逆風が吹いています。しかし穴吹興産が長年、中・四国で積み上げてきた多様な不動産ノウハウを、私たちは九州仕様に換え、地元のお客さまに喜んでいただけるサービスをご提供していきます。最終的に顧客満足度九州ナンバーワンをめざしています」と柴田社長の声は弾む。

＜福岡は、世界に類を見ないエンターテインメント性の高い街＞

　柴田社長は四国出身。鹿児島での勤務生活経験もあるためか、福岡人とは違う目で福岡の魅力を語る。
　「祭りや古い歴史、それに海や山の食材など、福岡には"売り物"となるものがいっぱい詰まった街です。ひと言で言えば『福岡は街全体がエンターテインメント』。ここから輩出される音楽家も多いですしね。しかし生粋の博多っ子はそんな魅力的な素材を余りにも普通に思っていて、積極的にアピールしていないのではないでしょうか。非常にもったいないことです。これだけの楽しさ、面白さが町中にあふれている都市は世界にどれだけあるでしょうか。福岡の街で発生するエンターテインメントやアミューズメントといったものをもっと特長付けて、アジアに向けて東京経由ではなく直接発信していけば魅力がさらに輝きだし、アジアからの観光客やビジネス需要も増加すると思います」。
　あなぶき興産グループの企業スローガンは『人にときめき、街にきらめきを』だが、柴田社長はこのスローガンを踏まえた上で「不動産業は、地域社会を元気にする役割を担っている業種です。福岡を楽しく面白くするために、例えば中古物件の再生ビジネス、あるいは魅力的な開発など、私たちの得意とする不動産の分野で福岡発展の一助になることができたら、こんなに嬉しいことはありません」と自身の提言に対する姿勢を述べた。

＜プロフィール＞
柴田　登（しばた　のぼる） 柴田　登　（しばた　のぼる）
1958年２月12日生まれ。81年、学卒後「穴吹興産（株）」入社。91年、取締役就任。07年、「あなぶき興産九州（株）」代表取締役社長に就任。