（株）ハーベスト警備 代表取締役社長 坂上 正晴
＜警備隊員の接遇の良さが評判となり
店舗などサービス業からの依頼が急増＞
今年で設立６年目を迎えた「ハーベスト警備」。設立当初は、建築・土木工事現場での交通誘導警備業務が多かったが、最近では施設での常駐警備や店舗・施設・イベント会場の駐車場における警備、神社祭事での誘導警備など、その業務範囲を広げている。
その業務拡大の大きな要因が警備隊員の接遇の良さ。他業界と同様、警備業界も競争が激しく価格勝負という一面もあるそうだが、価格では判りにくい接遇をプラスすることで他社との差別化を図ろうとしている。研修などでは、警備技術の向上はもちろん接遇を重要な項目として取り上げている。その一つの方法が各現場の仕事風景をビデオで撮影し、研修時に本人たちにビデオを見せることで、悪い癖に気づき、改善のきっかけとしてもらうことで、隊員一人ひとりの接遇向上につなげている。
警備員の見た目にも注意を払っている。その最たるものがユニフォームで、定番のユニフォームは隊員自身がいくつかの候補から選んだもの。自分たちがカッコよく着たいと思うものを着てほしいという理由で採用された。場所によってはウインドブレーカーも採用したりして、店の利用客に不快感を与えないようにしている。服装などはちょっとしたことかもしれないが、社員のやる気や接遇重視と相俟って、ユーザー側の評判も良く、結果、店舗関係の案件数が増えているそうだ。
その一例が東区の人気菓子店。ここの菓子店オーナーが以前、違う場所で警備していた同社隊員の接遇が気に入ったことで依頼された。また正月三が日で約70万台の車が集中するという宗像大社駐車場での誘導サービスも、神社側や観光バスの運転手などからの評価が高く、設立以来６年間、依頼が継続している。こういった評価が好循環となり、今では郊外の人気レストランや大手ハンバーガーチェーン、葬祭場など顧客が広がっている。
＜地域の安全を見守るボランティアの防犯活動にも参加＞
考えてみれば、駐車場に入りたい車のドライバーはスムーズに入庫し、滞りなく出庫したいと考えているわけで、警備員がいかに誘導するかがポイント。また店の利用客がいちばん初めに出会うのは、実は警備員であることが多く、警備員の態度次第で、その店の好感度が変わってくる。「警備業はサービス業だと思います。社名に"収穫"という意味を込めましたが、自分たち自身の収穫だけでなく、お客さまの収穫を増やす会社になりたいということで名付けました」と語る坂上社長。そのサービス向上の思いは強く、社会に役立つ警備会社を目指す社長の理想が少しずつ具現化している。
近年、ひったくり事件など福岡市内では軽犯罪が増えているが、同社は警備会社として安全な街づくりに貢献している。東区にある警備会社12社と「東区警備業連絡協議会」を結成し、週に一度であるが、担当地域のパトロールを行っている。もちろんボランティアだが、この活動は業界紙で全国に紹介された。他県でもやっていそうな活動だが、今年で６年目を迎えるほど継続して活動している所は少ないそうだ。地域に根ざす警備会社として、今後も地域の安全には深く関わっていきたいと坂上社長は話す。
＜プロフィール＞
坂上 正晴（さかがみ まさはる）
1950年１月、東京都生まれ。親の仕事の都合で、３歳で北九州市へ移転。八幡大学（現・九州国際大学）法学部出身。土木会社、警備会社を経て、2005年に「ハーベスト警備」を設立した。現在、九国大同窓会の理事にも就任し、後輩の各種支援にも力を注いでいる。
＜会社概要＞
（株）ハーベスト警備
代表者：坂上 正晴
所在地：福岡市東区千早5-21-2サンビル2F
設 立：2005年３月３日
ＴＥＬ：092-673-0180
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