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高島宗一郎 福岡市長に訊く『アジアのリーダー都市』戦略(3)
政治
2010年12月31日 08:00

<現場から市政を変える>

高島宗一郎 福岡市長高島市長 最初の訓示で「チャレンジしたい方は覚悟と勇気があるなら、そのチャレンジにかかる責任はすべて私が負います。だから一歩踏み出してください」と、お話しました。
 それを収録して、その日のうちに市役所の人が全部動画で見ることができるようにと"チャレンジ"でやりました。「たしかに、この人(市長)は『責任をとる』と言っている。だから安心してチャレンジしよう」というように、この4年間で変わっていけば、もともと能力のある組織ですから、それはもう福岡市政が変わると思います。

 ―市長、年明けにもう一度同じ話をされたら、「これは本物」と思って、分かる職員の動きが変わってくるのではないですか。直接、提案してくる人たちも増えるのでは。

高島市長 実はですね。その訓辞をして4日後、4つのペーパーがあがってきました。若い職員からふたつの提案と、それから残りふたつは「是非、うちの部署に来てください」という話でした。提案には、「今の組織をこういう風にしていきたい」「こういうことがやりたい」という想いが詰まっていまして。
 それを見て、すごく嬉しくなりました。少し時間ができてきたら、そういう職員の方と夜一緒に飲んだり、お昼の食事をしたりするなど、いろんななかで気持ちを受け取っていきたいと思います。

 ―1万人の組織ですから、その1割が自分のプランを上げてきただけでも福岡市は変わると思います。

高島市長 市職員のモチベーションが10%上がれば、職員が1,000人増えるのと一緒なんです。1万人ですから。だから私がサラリーマンだったときに言われて嬉しかったことを私も言っていきたい。逆に言われてやる気が下がることは言いたくはありません。

 ―4年前、前市長の市長室に行って取材しましたが、高島市長が言われています「責任を持つ」「完全燃焼したい」という熱意が5回会っても感じられなかった。やはり「リーダーが変われば1万人も変わる」と、ひとりの経営者として思います。

高島市長 正直、これまで仕事のなかで根回しをするという経験がありませんでした。正面突破ばかりで。みなさんにやりたいことは伝えておいて、「大丈夫、できるから一緒にやろうよ」と、常に口に出しておくことが大事だと思います。そのうえで、表の場でしっかり議論できるベースを作っていきたいです。

(つづく)
【文・構成:山下 康太】

<プロフィール>
高島宗一郎 福岡市長高島 宗一郎 (たかしま そういちろう)
1974年(昭和49年)11月1日生まれ。93年、大分舞鶴高校卒。97年、獨協大学法学部卒。97年、九州朝日放送株式会社入社。2010年10月、同社を退社し、11月14日投開票の福岡市長選挙に立候補。20万9,532票を獲得し当選。12月7日、第35代福岡市長に就任した。


※1高島市長の「高」ははしごだか。
※2インタビューの文章は、主なやりとりについて内容を整理したものです。

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