12月1日、山口県宇部商工会議所建設業部会の19名が、エコアス(株)(福岡市博多区、大澤清和社長)の施設見学に訪れた。
エコアスは主な事業内容として、建築物における環境衛生管理、汚泥処理、環境測定・分析、空気触媒などを行なっている。同社の強みは、有機性汚泥リサイクルプラントを福岡都市高速道路 月隈I.C.近くに立地していることで、これは福岡市内では同社が唯一となっている。
また、同社は、中間処理を行なう際に最新鋭の多重円盤型脱水機を使用しており、汚泥から脱水ケーキを作って肥料生産業者に原料として供給するなど、循環型社会の形成と廃棄ゼロにも貢献している。
施設見学を始める前に、エコアス社長の大澤清和氏は「実は、この見学の話をいただくくまで、宇部市についてあまり知りませんでした。そこで調べてみたところ、宇部市が環境に対してとても先進的な都市だということを、知りました。宇部市では昭和26年頃から『ばいじん公害』があったようなのですが、それを官・民が一体になって克服されています。この『宇部方式』という改善方法が国際的にも評価されており、国連環境計画(UNEP)から『グローバル500賞』を受賞されています。宇部市は、そういった環境に対しての先進的な活動を昔から取り組んでおられるようで、非常に感心いたしました。その宇部市の皆様方から見学先としてエコアスを選んでいただき、非常に光栄に思っております」と、挨拶を行なった。
続いて、宇部商工会議所建設業部会の塔野功部会長が「産業廃棄物の処理というのは、どこも抱えている問題です。何年か前から、取り扱いについてとくに厳しくなったと思います。宇部市には、こういったエコアスさんのような有機性汚泥処理プラントというのはありませんので、ぜひ一度勉強させていただきたいと思い、今回、見学に来ました」と、挨拶を返した。
その後一行は、プラント担当者からの説明を受けながら、運搬されてきた有機性汚泥を固液分離ドラムスクリーンにかけて液体と固形物に分ける作業や、プラント内の多重円盤型脱水機などを見学した。
見学を終えた参加者は、「産廃処分の工程を見るというのが初めてでしたが、管理が大変そうでした。臭気対策のシステムがしっかりされているなと思います」「見学者の受け入れもしっかりとできていますし、マニュアルもきっちりされていて、一流だと思います」「有機汚泥を脱水したものを堆肥化して、商品化して売りに出せるレベルが凄いなと思います」などと感想を語っていた。
最後に、塔野部会長は「大澤社長は、宇部市のグローバル500賞受賞を知り、宇部市に関心を持ってもらったのだと思います。その私どもが住む宇部市は、日頃から環境問題についてゴミ1つとっても処分が大変なところで、なかには隣の市で処分しているところもあると聞いています。しかし、これからは環境問題が大きく取り上げられる時代になると思います」「あれだけの施設を、良くやってこられていると思います」と、施設見学を終えての感想を述べていた。
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エコアス(株)
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