カジュアル衣料の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、自社のグローバル化を進めるため、今年、さまざまな方針を打ち出した。12年3月からは社内の公用語を英語にする、また国内約800店舗の店長と管理職約100名の海外移動も計画されている。さらに11年入社の半数は外国人にする計画だ。
同社は5年後に海外の売上高構成比を過半数に高める計画であり、日本企業が世界企業として生き残るための策としている。その一環として店長を含めて幹部社員には「TOEIC」で700点以上の取得が求められている。
ある店長が嘆く。「現在の店長の英語力の水準は、求められているものに遠く及ばない」。方針は理解できるが、現実とのギャップに国内の店長は苦悩しているようだ。企業は新たなステージに立つとき、劇的な組織改編が求められるケースが多い。生き残るために人材を含めた質的転換が必要になるためだ。同社もそうした時期を迎えている。グローバル化が進んだ経営環境では、企業の成長についていけない社員は、スキルを持った人材に取って代わられる時代なのだ。
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