TMエンタープライズ 代表 杉本 尚大
＜マスメディアから独立し起業＞
わたしは2010年春、在福の放送局を退職した。そして、映像ソリューション事業とPRコンサルタント事業を手がける「TMエンタープライズ」を立ち上げた。現在、主に福岡の中小企業に向けて、広報PRコンサルタントとウェブサイトを使った企業PR用動画の配信サービスを行なっている。
わたしがこれまで14年間にわたり在籍していた放送業界は以前、総務省の認可事業ということもあり、他業界に比べてエリア内の競合相手は少なかった。とりわけ広告が収入源の、他メディアに比べてもテレビ放送は非常に価値の高いものだった。それがいつの間にか、不況のあおりを受け、広告収入が落ち込み、放送局自体の経営環境も厳しくなっていった。にもかかわらず、放送局は相変わらず広告収入以外で稼ぐことには敏感でない。一部には不動産事業でせっせと稼いでいる会社もあるが、ローカル局は特にここ数年若い人材をあまり採用してこなかったツケなのか、新しいことをやるのが苦手な組織なのだ。
一方で、わたしが放送局にいて、いつも感じていたことは、福岡にあるたくさんの中小企業は、マスコミとのつきあい方について、非常に疎いということだった。CM料金の仕組みとか番組がどうやって作られているかなど、世間一般に知られていない部分は多い。世間の人たちがマスメディアの情報についてあまり知らないのなら、わたしがこの業界を卒業して、マスメディアとの上手な付き合い方を伝えることができれば、地元の中小企業にとって、役に立つ情報を提供できるかもしれないと考えた。
趣味・趣向の多様化で、国民がテレビを見る機会は減ってきている。新聞の購読者も減ってきている。しかしながら、いまだ地方にとっては、マスメディアの影響力は絶大だ。地方の中小企業にとって、取材ネタの提供という形をとった、戦略的な広報ＰＲの重要性は今後ますます注目されていくのではないかと考える。
＜気軽に動画で広報PRする時代へ＞
2011年７月に地上デジタル化が完遂し、現在よりもさらに、テレビとインターネットが競合してくると、音が出ないことが当たり前だったウェブサイトで、動画映像を見ることは常識になっていくだろう。それと同時に、動画編集技術も進み、家庭用ビデオカメラとパソコンがあれば、気軽にオリジナルの映像をつくれるほど、ハード面も進んできている。これからは、企業が自社の映像製作に大金を使う時代ではなくなる。そういう環境のなか、わたしは他社にない映像製作の分野で勝負に出ている。理想とする作品は、企業のアピールしたい部分にスポットを当てた、短くてわかりやすい映像だ。短い尺で作るということは、シナリオ構成力がモノを言う。ただ、撮影や編集の時間も短くて済むので、コスト面は抑えることができる。
わたしは、今まで高価すぎて検討さえもしなかった中小企業向けに、気軽に導入できる価格で、質の高い作品を提供していきたいと考えている。これからは企業のウェブサイトで動画が見られることは当たり前になるだろう。百聞は一見にしかず。地域で頑張っている企業を、映像を通して世のなかにアピールできるように、他社に真似できない秀逸な作品を提供していきたいと思っている。
＜プロフィール＞
杉本 尚大 （すぎもと たかひろ）
1974年、大阪府和泉市生まれ。九州大学農学部卒業後、在福の放送局に14年間勤務したのち独立。
＜会社概要＞
TMエンタープライズ
所在地：福岡市中央区桜坂2-3-29
設 立：2010年５月
資本金：100万円
ＴＥＬ：090-1344-3901
ＵＲＬ：http://tm-en.com/
※本稿は以下の書籍に掲載されています。
このたび、弊社では「愛する福岡へ 201人の提言」を発刊いたしました。内容は、政治、経済、学界の有識者および福岡・九州で活躍する企業経営者が、それぞれの立場から福岡の未来に対する提言集となっております。本著には、以下でご説明するさまざまな活用法がございます。
活用法その１ 「企業経営の良き参考書」
各界を代表する有名経営者の提言は、これから起業される方をはじめ、現在、経営に携わっている方への良きアドバイスとなるでしょう。経営戦略・人材育成・CSR（企業の社会的責任）など、内容は多岐に渡っており、さまざまな場面でお役に立つはずです。
活用法その２「営業先を知るための予習書」
福岡を中心に各企業の代表がずらりと掲載されている本著は、各経営者の考え方や社歴を知るための予習書として営業ツールに最適です。
活用法その３「福岡の未来が分かる予言書」
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