ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

コダマの核心

人それぞれ、ビジネス人生の結末は(5)~銀行を見放して立つ決断 (株)不動産総合センター
コダマの核心
2011年1月 7日 08:00

 不動産総合センターの三原一征社長は福岡シテイ銀行を飛び出て会社を起こし、今年で20周年を迎える。銀行を独立して成功するケースは意外と稀有だ。たいしたものである。20周年記念パーティは2月に予定されている。今回は、創業から現在に至るまで、そして今後の展望について三原社長にフリーアナウンサーの中村もとき氏がインタビューを行なった。

【中村もときが聞く】
(株)不動産総合センター創業20周年記念~三原氏に聞く20年を振り返りとこれからの不動産業の未来像について~

中村もとき氏、三原一征社長

<自分で土地を見定める>

 ─先ずは20周年おめでとうございます。確か従業員は4、5名で始めましたよね。

 三原:ありがとうございます。もときさんがおっしゃるとおり、当初は5名でスタートいたしました。今は30名です。基本的な考えで、店舗展開をしないことです。これを貫いて参りました他店舗展開は、お金もかかりますが、なによりも人材が必要であり、格好は良いですが、採算面で考えると疑問符が付きました。1店舗主義で、それにより業務を濃縮させました。その結果が人員は30名までということになりました。その基本姿勢は、設立以来20年間変わることなく、貫いてきました。

 ─社員(スタッフ)一人ひとりの力が、濃密になってきますね。

 三原:そうですね。人の育成は難しいですが。より一層濃密になるように目指しております。
 
中村もとき氏 ─昨年ですが、ある福岡市内の街を歩いておりましたら、三原社長と会いました。「三原社長、何をされておるのですか?」と質問すると、良い不動産を探しているとおっしゃった。三原社長自ら不動産の目利きをいつもされているのですか。

 三原:私は、不動産は自らの目で判断いたします。優良な不動産を探し判断するには、やはり自らの目で見ることが一番です。昨年お会いした時は、住宅を見ておりました。もときさんが世界各国に写真を撮りに行かれることと同じです。

 ─つまり、私の写真で言えば、それらの風景が被写体になり作品になるかどうかということですね。

 三原:そうです。住宅を、自分の目で確かめリニューアルして再び売り出すことが可能かどうか。それを判断するのは、自分の目です。20年間このスタイルで相当数の物件の仕入そしてリニューアルをして販売して参りました。その結果、売れ残り、デッドストックとなった例はひとつもありません。

 ─難しい言い方をすれば、不動産の開発から管理まで総合的に実践するが、平たく言いますと"原石を磨いて宝石にする"という活動ですね。

 三原:まさにおっしゃる通りです。"お客様に良いモノを提供する"当社の企業理念である社会に貢献するという考えで行っております。物件をただ横流し的に販売することはありません。必ずコストを掛けてリニューアルして、物件を提供しております。

<均衡のとれた経営の実践>

 ─それだけの入念なコンセプトを持ってしても、不動産業は経験に左右される業種でありますが、この不景気の折、不動産業も軒並み下落している状況であるなかで、貴社は厳然と仕事をされている。その要因は何でしょうか。

不動産総合センター 三原一征社長 三原:私は銀行に長年勤めておりました。支店長も経験致しました。その銀行で培った経験がいきております。それは何か。中小企業及びそれら代表者との取引の中が、各企業の栄枯盛衰を数多く見て来ました。特に倒産した会社に関しては沢山見て参りました。その中で、絶対"潰れない会社"とはどういう会社なのか自分なりに学んで参りました。会社が潰れるのは、一言で言えば放漫経営です。経営は、バランスが大切です。売上を経費のバランスが一番の例です。よって、当社は開発・売買・管理・賃貸という4つの事業体で推進していっております。まさに"不動産総合センター"という商号にもあるように、一極化することなく、不動産業をバランスよく運営していくことです。不動産は奥が深いです。デベロッパーとしての開発業もあり、不動産の管理・賃貸もある─住居だけでなく、オフィス・店舗など様々です。これらを総合的におこなってきたことが当社の強みです。リーマンショックの後、有望なデベロッパーが次々と倒産しました。これは、マンション開発だけを行なってきた結果で総合的な事業ではなかった。銀行の融資がストップして一発で行き詰まってしまいました。当然、不動産も適正在庫があります。リニューアル物件も然りです。私は、売上目標から逆算してどのくらいの在庫を保有すれば良いのかなど、常に理詰めで経営を行なってきました。

 ─20年間、リーマンショック、バブルの終焉期を経験されておりますね。

 三原:バブルは1990年ですね。バブルがはじけた頃にスタートいたしましたので、無闇に土地などに手を出すことなく事業をはじめたので、負の遺産は抱えずにいられました。しかしゼロからでしたので色々苦労はありました。当初、博多駅前や様々な大学の正門の前などでのチラシ配り、そして福岡市内各地区の団地に出向き「不動産を探しております」などというチラシ配りを自ら行っておりました。反応は少なかったですが、ゼロコンマ幾らかの世界ですが、地道に行なってきました。

 ─生き残れたのは、総合的な経営の結果ですか。

 三原:リーマンショックまでは、ファンドバブルと言われておりました。福岡の物件もその対象でした。私もリーマンショック以前には、1棟売りの事業を行なっておりました。だが、私なりの"勘"というのもあったのですが、リーマンショックの1年前に金融関係の情報で、1棟売りは撤退すべきであるということを結論として出しました。最後に祇園に物件があったのですが、ファンドからキャンセルの連絡があり、建物を建てず土地だけを商社に売って終わりました。それら情報を咀嚼して判断するのは会社のなかで、私ひとりで行なっておりますが、FFCプロジェクトを形成しており、私の力で足らないところは外部の専門家集団の頭脳を借りております。私ひとりの力など小さいですので。

<これからの福岡の不動産業>

 ─「私ひとりの力は小さいです」と言える経営者は中々おりません。この言葉が言えるのも堅実な経営を実践されている三原社長の秘訣ですね。さて、バブル期は何故か元気であった福岡。今や疲弊している福岡。不動産業にとって福岡という土地はどのような位置づけとお考えですか。

 三原:東京から福岡ですね。大阪を飛び越して。東京ではやったモノは必ず福岡でも流行る。そういう流れであると私は考えます。それで、福岡は活性化しているのではないでしょうか。よって魅力ある土地である福岡です。後進国と言われてきた今では飛躍的な経済発展を遂げている、東南アジア諸国にも近いことも有利です。

 ─今後、福岡の不動産を今後どのようにされるか、お考えをお聞かせ下さい。

不動産総合センターの三原一征社長 三原:昨今、デベロッパーの事業展開は難しく分譲マンションが売れないという時期が続いておりました。そのようななか在庫も減少しつつあり、「さあ今から」という環境になりつつありますね。デベロッパーも今後はチャンスが出てくるのではないでしょうか。今後は福岡市内においても人口は増え続けることでしょう。アジアからの投資もありまだまだ発展の可能性が期待でき、元気になることでしょう。博多駅の開発を含め、インフラ整備が進み活気づくことと思います。

 ─話は変わりますが、人工島について見解はいかがですか。

 三原:正直申しまして、魅力は感じませんので、人工島に関する戦略はありません。

 ─貴社におかれまして、福岡から他の地方に市場を拡げることはありますか。

 三原:事業を発展させることは、今後も実践して参ります。現状維持は組織を衰退させてしまいますので。ただ、私の代では、今の経営手法で行なっていきます。他地方への事業展開は考えておりません。福岡市内および周辺の街が市場です。

 ─最後に三原社長の経営理念をお聞かせ下さい。

 三原:不動産を通じて社会に貢献することです。銀行で27年間勉強したことを、不動産業に活かして地域に活力を提供できる存在となっていきたいですね。

 ─本日はご多忙のところ、ありがとうございます。益々のご活躍を心より祈念致します。

[COMPANY INFORMATION]
(株)不動産総合センター
創 業:1990年12月
設 立:1995年5月
代 表:三原 一征
資本金:4,000万円
事業内容:総合不動産業
本社所在地:福岡市博多区博多駅南3-12-14


*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

コダマの核心一覧
コダマの核心
2012年12月16日 19:32
コダマの核心
2012年12月 7日 17:48
コダマの核心
2012年12月 5日 11:25
コダマの核心
2012年12月 4日 16:34
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年11月16日 09:40
コダマの核心
2012年11月 8日 10:13
コダマの核心
2012年10月30日 11:00
コダマの核心
2012年10月16日 07:00
コダマの核心
2012年10月15日 13:35
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年10月14日 07:00
コダマの核心
2012年10月11日 10:27
コダマの核心
2012年10月10日 11:06
コダマの核心
2012年10月 5日 10:11
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル