7日夜、菅直人首相は、インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」の生放送に出演し、現在の政局や政権運営について語った。ネット番組への出演は、首相就任後では初となる。
菅首相は「過去の首相が比較的短く辞めた原因がなんとなく分かる。気持ちがなえる。『俺はこんなにやっているのに、なぜ評価されない。これ以上やってもだめだ』となえる。日本の(政治)システムは、タイトな国会審議など首相をなえさせる要素がたくさんある」とぼやいた。
その一方で、首相は世襲政治家が首相に多かったことを踏まえ、「私はやや変わり種で徹底的にやってみようと思う」と語り、「気持ちがなえて『やーめた』ということは選択肢にない。成長、財政、社会保障、地域主権、外交に次の展望が見えるところまで頑張る」と、政権維持への意欲を見せた。
また、5日の玄葉国家戦略相が表明し、注目されている"政権公約を見直す考え"について「全部出来るかと言われれば、なかなか難しい。もう1回見直さなければいけない。1年半、政権交代から経った(衆院任期4年間の)折り返し地点の2年目あたりにはそれを行ないたい」と述べ、今年夏頃を目処に見直す考えを表明。
ただし、2012年度予算案を編成する年末までに財源確保の見通しが立たない政策を修正する方針を示した一方で「全体を貫く理念や考え方の柱までは変えにくい」と述べ、こども手当や高校無償化などの目玉政策は継続する考えを強調した。
さらに、民主党の小沢一郎元代表の「政治とカネ」問題で菅首相は、政治団体による不動産購入や不透明な党経理を指摘。「私が(昨年9月の)代表選で『クリーンでオープンな政治』と言ったのは、そういうことが頭にあった。問題があるとすれば、それを早くクリアして次の時代に進んでいきたい」と述べ、小沢氏の国会招致について「国会の場で説明すると本人も言ってきたから約束は果たされるべきだ」と衆院政治論理審査会への出席を改めて求め、同問題にけじめをつける決意を語った。
そのほか、内閣官房副長官補の人事について「(現行法では)国会議員を置くことができない。民間人や国会議員が仕事をできる体制を作り、国民主権の内閣にしたい」と述べ、法改正への意欲を見せた。
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