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コダマの核心

人それぞれ、ビジネス人生の結末は(7)~食(は)みだし者を活かせ!!
コダマの核心
2011年1月 9日 17:04

皿洗いで生計をたてていた男が!!
 Tは20年近く業界新聞の記者として鳴らしていた。会社と折合いがつかず辞表をだした。すぐに紹介を受けた介護業界の専門新聞社に転じたが、経営不振で3ケ月で敢え無く食を失った。ここからがTにとって地獄に転落するような悲惨な生活が1年半続いた。50歳手前のオジサンを採用するもの好きな企業はないのだ。蓄えも払底する。子供は進学で教育費が嵩む。真面目な男だ。本当に悩み続けた。ついに生活費を稼ぐためにレストラン、ホテルの皿洗いのアルバイトに就いた。昼、夜2回、勤務先を渡り歩いたのである。
 若いフリーター、中年おばさんと混じって掛け持ちして12時間以上、働いても1ケ月に稼ぐ金はたかが知れている。「あー、俺の人生もこれで終わりか」とため息をつくこともしばしばであった。ところがチャンスが訪れた。ある情報紙を発刊している会社から面接の通知を受けた。Tにしてみれば30回履歴書を送って初めての福音であった。妻に「必ず売り込んでくる」と誓って家を後にした。
 面談で求人先の経営者と意気投合した。「これは採用して貰えるな」という直感がTの頭に過った。案の定、採用通知が届いた。「これが最後のビジネスチャンスだ」と覚悟して1年間、必死に健闘した。1年過ぎると事業リーダーの肩書を得た。部下が5名もいる所帯を任されたのである。「2011年は勝負の年だ。2009年の社会底辺で生きていた時期とは大違いの環境にいる。有難い。必ず成果をあげてみせる」とTは意気軒高だ。

風俗記者からの生還
 Nは防衛大卒業後、れっきとした海上自衛官であった。突然、自衛官を退官したときに実母は悲嘆にくれた。「お父さんが亡くなり私は命を賭けて貴方を育ってあげてきた。それなのに私は何故、こんな惨めな仕打ちを浴びなければならないよ」と罵倒された。返す言葉もないし、ただ項垂(うなだ)れる仕草をとるしかなかった。次にNの再就職先は風俗情報紙の記者を選んだ。以前から「ペンで生計を立てたい」という想いがあったからだ。母親がさらに落胆し怒り心頭したことは言うまでもないことだ。
 Nは当初、「風俗記者3年で筆力をつけて他の世界に転ずる」と計画を練っていた。現実は思惑外れた。人の出入りが激しい業界である。常に記者不足だ。辞めるタイミングを逸してしまった。結局は5年間、踏み留まった。32歳になっていたのだ。防衛大学を卒業して10年経過していた。この時のNの正直な心境は「果たして高校、大学時代の同級達に胸を張って再会できるビジネス人生を構築できるだろうか」というものであった。
 2009年押し迫ってNの身辺にも運が転がってきた。行政記者として登用される機会を得たのである。それからは死に物狂いで働いた。月間の原稿量は8万字に達した。Nの記事は各方面に話題を投げかけた。会社も高い評価をしてくれた。2010年末にはある部門のデスクを命じられたのである。年末、実母の家に帰省した。母は涙を流して喜んでくれた。「息子よ!!次は嫁を探すことよ。私は1日でも早く孫の顔を拝みたいから」と急かされた。「久しぶりに嬉々とした母親の顔を見た。今から親不孝した分を取り返す」とNは喜んでいる。
 経営者の方々もT・Nみたいな食(は)みだし者の活用をされたらいかがでしょうか?

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