福岡商工会議所 経済部長 高比良 拓児 氏
今年3月の開催で、3回目を迎える福岡アジアコレクション(FACo、※)。商工会議所の主要メンバーとして第1回から大きくイベント開催に関わっている高比良氏が、福岡発ファッションブランドのアジア圏での可能性について言及する。3年目にして、日本を代表するファッションイベントに育て上げた立役者のひとりが語る、今アジアで求められているファッションビジネスとは?
<中国政府がファッションに注力している大連>
大連は人口が約600万人。中国国内でもファッションの先進地として名を馳せている都市だ。98年から「中国大連国際服装紡織品博覧会」という大規模なファッションイベントが行なわれており、2006年からは政府が事業として関わるなど、ファッションでは先駆けの地となっている。
中国政府は元来、自国のブランドをどう海外に売り込んでいくかということに重きを置いているが、大連だけは少し異なった考え方が浸透しており、海外のブランドを国内にどう浸透させていくかに力点を置いていると言われている地域だ。福岡もおしゃれな女性が多いと言われているが、大連の女性も同様に、昔からおしゃれな人が多いと言われているそうで、色白で手足が長く背の高いモデル体型の女性が多いという。大連にはスーパーモデルを育成する機関まで存在している。
上海に行けば、何でも最先端のブランドがそろうが、ファッション業界もこのところ、都心部から地方都市に軸足を移しつつある。福岡のファッションブランドにとっては、最初から上海を攻めるより、中国進出の足がかり的な位置として大連をテストマーケティングの候補地にするのはもってこいの場所だろう。また、福岡空港から毎日直行便が出ており、親日的な土地柄ということもあり、地名度のない福岡の中小ファッションブランドが大連をめざす動きが、福岡アジアコレクションの開催を機に出てきた。
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